第一回 やる気が出るかっくいいプロット作り大賞
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映画「ジャンの妄想」
(茶屋)
投稿時刻 : 2013.04.16 18:12
字数 : 3943
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映画「ジャンの妄想」
茶屋


プロット

映画「ジャンの妄想」(1998 アメリカ / 監督:ジャン・コサード)より

あらすじ
 十八世紀
 ルソーは街路を小走りに進んでいく。絶えず見張られているという感覚を覚えながらも、家路に急いでいた。手にしていたのは百科全書の欠損した一章。
 それは世界を揺るがすほどの力を持った理論であると確信していたルソーは監視者たちの手にわたってはいけないと、大事に抱える。
 そんなルソーをあざ笑うような笑い声が、街路に響き渡る。
 百科全書の編集者であったダランベールはルソーとの論争後、編集者の任を降りる。失意の中、秘密裏に執筆を続ける彼はやがて世界の秘密とも言うべき知識を手に入れる。
 百科全書編集者たちが瓦解した中で中心人物であったディドロは秘密裏に百科全書の執筆を続ける。その背後には不敵に笑うマルモンテルの姿があった。

 現代
 映画監督のジャンはジャン=ジャック・ルソーの映画をとろうと考えていたが、資料を集めていく中でルソーも執筆に協力した百科全書の関係者にジャン・ル・ロン・ダランベール、ジャン=フランソワ=マルモンテルという二人のジャンがいることを知る。興味を覚えたジャンは百科全書を読みあさり、それに惹かれていく。
 そんな中で、ルソーと百科全書派の決別もまた百科全書にあることを知る。「ジュネーブ」という項で彼らが対立したとされているが、果たして本当にそうなのか。疑問に思ったジャンは百科全書には欠けた一章があるという結論にたどり着く。折しも、突然スポンサーが決まり、撮影が開始されることになるが……。

 やがて十八世紀のヨーロッパと現代アメリカが交錯し、ジャンたちの現実は歪み始める。果たして、百科全書の欠損した章の執筆者「ジャン」とは何者なのか。
 そして、欠損した章の持つ意味とは?


登場人物
十八世紀
 ジャン=ジャック・ルソー
 「百科全書派」の一人。
 哲学者。精神的に不安定な面があり、誰かに監視されているのではないかと怯えている。
 マゾヒスト。

 ジャン・ル・ロン・ダランベール
 「百科全書派」中心人物。
 ディドロとともに百科全書の編集を担当。
 後に百科全書の項「ジュネーブ」でルソーらと対立。編集者の任を降りる。

 ジャン=フランソワ=マルモンテル
 「百科全書派」中心人物
 後に百科全書の補遺を執筆。
 革命派とのつながりがあり、百科全書を何かに利用としている気配がある。

 デイヴィッド・ヒューム
 イギリスの哲学者。無神論者。懐疑主義者。
 ルソーの友人。
 ルソーのイギリス亡命を援助するも、後にルソーの被害妄想により仲たがいする。

 ドゥニ・ディドロ
 「百科全書派」中心人物
 

 ヴォルテール
 「百科全書派」の一人。
  言論の自由に重きを置く思想家。
  宝くじで金儲けする。

百科全書の執筆者たち
 シャルル=ルイ・ド・モンテスキュー
 ポール=アンリ・ティリ・ドルバック
 フランソワ・ケネー
 ジャック・テュルゴー
 フリードリヒ・メルキオール・グリム

現代
 ジャン・コサード
 無名の映画監督。映画「ジャンの妄想」を制作するため百科全書を読み、のめり込んでいく。

 Mr.スミス
 素性不明の無名役者。映画では三人の「ジャン」を演じることに。


プロット

1十八世紀イギリス 登場人物「ルソー」「監視者」
 街路を急ぐルソー。周囲を警戒。大事に抱えるのは百科全書の断章。
 監視者の笑い声が街路に響き、ルソーが走りだす。

2十八世紀フランス 登場人物「ダランベール」
 百科全書の編集者の任を降りたダランベールは一人机に向かい、独自の執筆を続けている。
 開いていた窓から風が入り込み、机に積み上げていた紙を巻き上げる。
 床に散らばった紙にはかつて己が書いた百科全書の断章があった。
 何気なしに取り上げてみると、自分すら気づかなかった重大な意味が隠されていることに気がつく。

3十八世紀フランス 登場人物「ディドロ」「マルモンテル」
 ディドロは百科全書の執筆を続ける。フランス政府に刊行許可が取り消された「百科全書」であったが、ディドロの熱意は失われていなかった。
 そこへマルモンテルを名乗る人物が訪れ、ディドロへの協力を申し出る。
 
4現代アメリカ 登場人物「ジャン」「Mr.スミス」
 図書館でルソーについての調べ物をしていた映画監督のジャンは百科全書という書物に行き当たる。ルソーも執筆を協力した本である。
 そして、百科全書を取り巻く人物にルソーを含め三人のジャンがいることを知る。
 そこへ「Mr.スミス」なる人物から電話がきて、構想中の映画のスポンサーが決まったこと、条件として「Mr.スミス」が主演することが告げられる。

5十八世紀フランス 登場人物「ルソー」「ダランベール」「ディドロ」「ドルバック」「ヴォルテール」
 百科全書の執筆はまだ開始されていない。
 百科全書の構想を語らいあう五人。
 知的会話はやがて政治的な会話へ。

6現代アメリカ 登場人物「ジャン」「Mr.スミス」
 ジャンは初めてMr.スミスと会う。
 ジャンの映画についての説明。今調べている三人のジャンについても明かす。
 Mr.スミスはスポンサー名を明かせないことなどを説明。
 ジャンは詐欺ではないかと疑うが、銀行口座に多額の制作費が振り込まれているのに気づき驚愕する。

7十八世紀フランス 登場人物「ルソー」「ダランベール」
 百科全書の執筆が開始されてから間もなく。
 ダランベールの部屋に駆け込んでくるルソー。ルソーは追われているから、かくまってくれと懇願する。
 ダランベールは何かの冗談だろうと思うも、二三日泊めてやることにする。
 泊めている間ルソーは一切外に出ようとせず、とりつかれたようにメモ書きを繰り返している。
 わけの分からない断片ばかりでダランベールは呆れるばかりだが、そのメモの一つに百科全書の記事のヒントを見つける。
 念のため、ルソーに借用の許可を貰うが、ルソーは心ここにあらずといった調子で頷く。

8現代アメリカ 登場人物「ジャン」「Mr.スミス」「ルソー」
 Mr.スミスは一人三役でルソー、ダランベール、マルモンテルの役をこなす。
 撮影は開始され、ルソーがダランベールの部屋を去る場面が撮影されている。
 メモが失われたことに気づき、もはやここも「監視者」にかぎつけられたのだと思い込んでいる。
 ジャンが調査を続ける中で、百科全書には失われた断章があるのではないかと考え始める。

9十八世紀 夢? 登場人物「百科全書」関係者、「ジャン」
 百科全書関係者たちの神学論争。
 ジャンもその中に入り込んでいる

10十八世紀 イギリス 登場人物「ルソー」「ヒューム」
  1の続き。
  ルソーが家に帰ってみると、家の中は荒らされ、困り果てたような顔つきのヒュームが立っていた。
  ヒュームがやってきた時には部屋は荒らされていたというのだが、ルソーはそれを信じず、絶好を言い渡す。
  ヒュームがなだめようとするも、ルソーは家を出て行ってしまう。

11現代アメリカ 登場人物「ジャン」「Mr.スミス」「ダランベール」「マルモンテル」
  撮影風景。
  ダランベールが執筆の手をとめ、散歩に出かける。
  すると奇妙な風体の男に出会う。
  男は「マルモンテル」と名乗る。彼は百科全書に参加したいといい、ダランベールは歓迎して家に招待する。

12不明 登場人物 不明
  百科全書の朗読。
  様々な声がランダムに朗読していく。

13現代アメリカ 登場人物「ジャン」
  撮影からの帰り道。誰かに追われているような気配を感じる。

14十八世紀フランス「ルソー」
  裸で鞭に打たれるルソー。歓喜の声を挙げる。

15十八世紀フランス「ダランベール」
  執筆の途中、眠気を覚え床につく。
  覚えのない痣を見つける。

16現代アメリカ 「ジャン」「マルモンテル」
  図書館の司書に「Mr.スミス」とよく似た人物を見つける。
  追いかけてみるが、見失う。
  胸につけた名札には「マルモンテル」と書かれていたような気がしてならない。

17十八世紀フランス 「マルモンテル」
  バスティーユ襲撃事件を見守るマルモンテル。
  すでにルソーとダランベールは死んでいる。

18現代アメリカ 「ジャン」「Mr.スミス」
  撮影は順調。だが、誰かに監視されているという気配は一向に消えない。
  ルソーとダランベールが論争を繰り広げる場面が撮影される。手紙のやり取りだが、実際に議論しているかのように描写。
  主題は失われた断章について。
  ルソーは「あれは書いてはならぬものだった」と主張するが、ダランベールにはそれが理解できない。

19不明 「ジャン」「Mr.スミス」「ルソー」「ダランベール」「マルモンテル」
  断章について話し合う。
  ダランベールはそれが書いては行けないものだったということを認める。
  ルソーはそれでも許さない。
  マルモンテルは仲裁に入るふりをして、こっそり断章を盗む。
  それをジャンに手渡し、微笑む。
  微笑んだのは「Mr.スミス」だったかもしれない。

20不明
  何かの暴動
  それをみつめるジャンとMr.スミス
  暴動の鍵となったのは君の創った映画だ、とMr.スミスが言う。

21 不明
  ヴォルテールが告げる。
  「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

22 不明
  「Mr.スミス」が消える。正体はわからないまま。
   ジャンは映画のフィルムの一部を破棄する。

23 十八世紀フランス
   ルソー不遇を嘆きながら死去

24 十八世紀フランス
   ダランベール安らかに死去

25 現代アメリカ
   ジャン死去。苦悶のうちに。

26 十八世紀 イギリス
   ヒューム因果論について語る。


断章が何ものあったのかは明かされない。
ただ、ルソー、ダランベール、ジャンは最初はそれを求め、最後にはそれを恐れた。
Mr.スミス、マルモンテル、謎の監視者はそれを求めた。
果たしてこれらのジャンはどんなつながりがあったのか、どこからどこまでが妄想であったのか曖昧にされる。
最後に映画「ジャンの妄想」は妄想でしか無く、それが存在しないことが示唆される。
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