彼女の仕様書
彼女の名前は綾と言う。23歳の一般事務のOLだ。
身長は155cm、体重48kgで小柄でスリムだ。雪のような肌をしている。視力が低くメタルフレー
ムの眼鏡をかけている。フェミニンな格好をすると似合う。水色のワンピースがよく似合う。会社にはさすがにもうちょっとカジュアルなファストファッションで固めた格好で行っている。
好きな食べものは、ラザニア。サイゼリアに行くと必ず頼んでいる。
お酒は少ししか飲めない。発泡ワインの白が好きだ。
埼玉生まれで今は赤羽のワンルームのアパートで一人暮らしをしている。自炊をする。肉じゃがなんかの和食を作るのが得意だ。自炊がほとんど外食はハレの日ぐらいにしかしない。
大学時代は文芸サークルに属していた。大学は都内の中堅校で文学部だった。好きな作家は、三上延、有川浩。でも、漱石や森鴎外も読んではいる。今でも小説を書いては、文戯に投稿している。なかなか、評判がいいようだ。結婚したら、専業作家みたいになりたいと思っている。
結婚願望はある。三十歳までに結婚したいと思っている。結婚は恋愛結婚が希望。結婚相手に求めるものは誠実さ。子供は二人、男女を一人づつ産みたいと思っている。まだ、結婚は意識していない。結婚後は専業主婦になりたいと思っている。
友達は高校生時代の同級生が三人、大学時代のサークル、ゼミの仲間の二人と、この五人とひんぱんに連絡を取り合っている。恋愛相談もこの仲間にする。会社の同僚とはお付き合い程度。飲み会や合コンには参加するがそれ以上の突っ込んだ付き合いはない。
外出で好きなのは、臨海副都心で夜景を眺めること。夜のお台場海浜公園を歩くとロマンチックな気分になる。冬のイルミネーションの時期になると、大手町、六本木などにも出かけ、スマホで撮影してインスタに投稿する。
苦手なのはラーメン屋の行列。行列のあるラーメン屋へ連れて行かれると機嫌が悪くなる。
美術館は機嫌がよくなる。東京現代美術館は機嫌のよくなるスポットだ。
上野動物園も好きだ。マヌルネコがお気に入り。
スパラクーアでリラックスするのも好きだ。
普段の生活は午前七時に起き、グラノーラとオレンジジュースの朝食を食べ、八時に家を出る。埼京線に乗って、池袋にある会社に通う。通勤中はスマホでＢＴＳ、ＴＲＥＡＳＵＲＥなんかのＫ－ＰＯＰを聴いている。昼食は社食でうどんやそばを食べる。午後五時半に退勤。残業はほぼない。帰り道、赤羽の商店街のスーパーに寄り夕食の買い物をする。テレビはほとんど見ない。夜はインターネットの小説サイトをめぐったり、小説を書く。そして、夜更かしはお肌に悪いので二十三時には眠る。
と、ここまで書いて、ディレクターにチェックしてもらった。
「どうですか、この彼女の仕様書は？」
「やけに生活じみているが、まぁいいんじゃない」
「ギャルゲーも女子高生の時代は終わりましたからね」
「で、この子、彼はいるの？」
「さぁ、僕の理想像ではありますけどね」