てきすとぽい
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第48回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉
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パンチラの日
(
合高なな央
)
投稿時刻 : 2018.12.15 22:35
最終更新 : 2018.12.15 23:16
字数 : 1457
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2018/12/15 23:16:41
-
2018/12/15 22:35:25
パンチラの日
合高なな央
マクドナルドでコー
ヒー
を頼んだはいいが、お金が足りなくて困
っ
ている仙人がいたので、割引チケ
ッ
トを譲
っ
てあげると、たいそう感謝して、お礼に一日だけイケメンにしてくれる仙術をかけてやるという。
俺は「頼むから明日にしてくれないか?」とためしに訊いてみると、
「いいじ
ゃ
ろう。明日の朝、起きてから眠るまでお主はイケメンじ
ゃ
」
と言
っ
て去
っ
てい
っ
た。
*
次の日の朝、半信半疑で鏡を覗くと、いつもと変わらぬ俺の顔。
騙されたか。と思い学校へ向かうと。
通り過ぎる女たちの視線が熱い。
これは、もしかして
……
と、遅刻しそうで走
っ
てきたドジ
っ
子が角から現れて、僕にぶつかり転んで尻もちをつく。フレアスカー
トがやわらかく捲れピンクのかわいいフリル付きのパンツがちらりと見える。
「ご、ごめんなさ
~
い」
と恥ずかしそうに顔を赤らめて去
っ
ていくドジ
っ
子ち
ゃ
ん。
思わず、鼻血がつー
っ
と垂れ、僕は急いでポケ
ッ
トテ
ィ
ッ
シ
ュ
で拭う。
や
っ
ぱり、僕はイケメンにな
っ
ていた。
今日一日、最高の日になりそうだ。
なぜなら今日は、パンチラの日。
世界の女性が好きなだけパンチラしてくれる(ただしイケメンに限る)という、そんな日なのだ。
もちろん、こちらから声をかけたり、誘
っ
たりしたら通報される危険性はある。
だが、イケメンとして佇んでいるだけで、つぎつぎと女性がパンチラしていくのだ。こんな幸せがあろうか。いやない。
今まで、毎年イケメンの自慢話を聞いて枕を噛じ
っ
ているだけだ
っ
たこの俺が、こんな上級者イベントに参加できるとは、夢のようだ。
*
交差点の角ビルの2階にある喫茶を覗くと窓際席のテー
ブルの下のミニスカー
トが膝をひらいて灰色のしまむらパンツがチラチラ。鼻血がつー
っ
。
電車の向かいに座
っ
てる女の子が足を組み替えるたびに白いレー
スの刺繍をあしら
っ
たお嬢様パンツがチラチラ。鼻血がつー
っ
。
書類を拾うOLが腰を落として、タイトスカー
トのスリ
ッ
トが3割増しでずれあがり、黒スト
ッ
キングの向こう側の世界からのぞく紺色のヒモパンがチラチラ。鼻血がつー
っ
。
いたずらな春風に吹かれて二人の制服スカー
トが同時にめくれ、おそろのシンプル黒パンがダブルでチラチラ。鼻血がつー
っ
。
花屋の店先で座
っ
て水やりしてる店員。ロー
ライズのジー
ンズの隙間からお尻の割れ目に沿うように真紅のTバ
ッ
クがキラキラビー
ズでデコレー
シ
ョ
ンされて、これはモロ見え。鼻血がつー
っ
。
そんなこんなで、自転車にの
っ
たお姉さん。階段をのぼるギ
ャ
ル。タクシー
を降りるスチ
ュ
ワー
デスなど、いろんなパンチラを登校中に目撃させてもらい、そのたびに鼻血がつー
っ
と垂れ、テ
ィ
ッ
シ
ュ
で拭
っ
た。
*
学校につくと、友達から、
「お前はイケメンでいいよな」と羨ましがられる。
女子の同級生からも、今までと違い何かとちやほやされる。
こんな状態が、今日一日続くのかと、ウキウキした。
しかし、つい鼻血を出しすぎて貧血になり保健室へ。
保健の先生も愛想よくしてくれて、やさしくベ
ッ
ドに寝かせてくれた。
そして、ひと眠り
……
*
目が覚めると、先生が「サボ
っ
てないで、教室で勉強しなさい」とベ
ッ
ドから追いたててくる。
教室に戻り、同級生女子に話しかけると、
「なれなれしい、キモイんですけど」
と、そ
っ
ぽを向かれる。
どうな
っ
てんの?
友達に「俺
っ
てイケメンだよな?」と訊くと、
「頭、大丈夫か?」と心配される始末。
どうな
っ
てんだ仙人!
と心の中で怒りのクレー
ムを入れると、
頭の中にムクムクと仙人が登場。
『効力は朝起きてから眠るまでというたじ
ゃ
ろう。お主、保健室でグー
スカ寝てしまいよ
っ
た』
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