短歌小説コンペ
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隣人歌
投稿時刻 : 2014.02.11 23:52 最終更新 : 2014.02.16 21:36
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隣人歌
栗見 鳴


アパートの 隣室に女 越して来る 体重何㌔ ㌘だろうか

聴診器 壁に押し当て 森田一義と 観客の声に ドンと壁蹴る

コンニチハ 女が綺麗に 微笑んだ 恋人にしか 見せ得ぬ笑顔で

空き缶を 戸建ての窓に 投げ砕く 悲鳴がするも 悠然と歩く

下リ待つ 向かいのホーム 立つ隣人 お辞儀をするも お澄まし女

工場の 門を潜て 出る迄の 14時間7分 一言も無し

牛丼を 袋から出し カレンダーの 正の字に又 一を加える

正正正正正 正正正正正正正 正正正正正 正正正正正正正 正正正正正正T

ギリギリギ リギリギリギリ ギリギリギ リギリギリギリ ギリギリギリギ

聴診器 真夜中に胸 押し当てる 通常運行 何事も無し

コンニチモ 過日と変わらぬ 通常運行 通常運行 過日と変わらぬ

イム鳴り 頭痛を堪え チン外す 大家が「田中さん 何処行たか知らない?」

265日 続いた牛丼 買わず帰宅 久方ぶりの 自炊に腕振るう

イム鳴り 冴えた頭で チン外す 青い制服に 紳士に接す

聴診器 壁に押し当て 目を瞑り 無音の部屋の 主愛しむ
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