てきすとぽい
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第三回 てきすとぽい杯
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コグマのしっぽ
(
タカダノブユキ
)
投稿時刻 : 2013.03.17 00:04
最終更新 : 2013.03.17 00:09
字数 : 681
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更新履歴
-
2013/03/17 00:09:11
-
2013/03/17 00:04:12
コグマのしっぽ
タカダノブユキ
「それ、 し
っ
ぽ?」
「ちんちんだよ。これはちんちん」
はだかにな
っ
たコグマの体は、想像してたより華奢な印象だ
っ
た。
自分にはない突起物に心の底から衝撃を受けたマグコの質問に、コグマはそう答えた。
「ちんちん
っ
て何?」
「おし
っ
こするところ」
「私にはないよ」
「おまえ女だから」
「女
っ
て何? コグマは女じ
ゃ
ないの」
「おれは男だよ」
「なにそれ。ちんちんがあると男で、無いと女?」
「…たぶんそう」
「ふうん」
も
っ
と聞きたいことはあ
っ
たのだけど、コグマはもう素
っ
裸で川のほうへ走
っ
てゆく途中だ
っ
た。
喉が渇いていた。あの川の水は飲めるだろうか…。
マグコの居た部屋で見た、体感するビデオテキストの川は、
キラキラと冷たく、手ですくい口元に運べば命のしずくのように喉をうるおした。
ここの川は本物だ
っ
た。
本物の川はテキストの川よりはるかに大きく、濁
っ
ていて、
底の石は緑色をしていて、いまはコグマが浮かんでいた。
「喉かわいた」
「
…」
「この水飲める?」
「飲めるけどー
… だめ」
「なんで」
「いまウンコしたから」
「え
っ
きたない」
「ごめんだから もうち
ょ
っ
と上のほう行
っ
て飲んで…」
「…わか
っ
た」
川沿いは茂みにな
っ
て遡れないので、砂場に戻る途中のY字路を曲がり、上流への道を探した。
あまり高くはないがう
っ
そうとした木々の間から、水の匂いがする。
川の向こうは、昨日までマグコが居た場所が見える。
"オリジナル”と呼ばれる人たちが生活している場所だ。
川は中央から分断されていて、どちら側からも自由には行き来できないようにな
っ
ている。
マグコはこちら側に来た理由をふかく考えてはいなか
っ
た。
なぜ来られたか、ということも。
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