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じぶんでえらぶこと
茶屋
投稿時刻 : 2015.05.31 21:48
字数 : 6169
5
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コメント
2015.06.08 14:56

※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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ヒューマンアーカイブプロジェクトというプロジェクトの全体像が、このストーリーとどう関わっているのか、そこが凄く気になりました。というか、端的に言ってこの辺の設定が先走りすぎている印象が否めませんでした。僕もSFは結構好きで、プログラムとか知性とかそういった話題はど真ん中のストライクなのですけれど、彼らが何らかの実験の一環として無人島に放り出されて機械仕掛けの「先生」に教わらないといけない状況というのが今ひとつピンとこなかったです。突き詰めれば、「島の人間社会を復旧」が目的で、その住人に対して機械知性を持つ「先生」を教育担当に据えたのだけれども、最後はその住人の自立を促すために「先生」が「わざと俺たちに厳しくして」自分自身を本土への強制送還へ導くというのが一連の流れだと思うんですが、どうしてもこういう箱庭世界ものにはそれを管理する上位権限者みたいなものがいて、彼らとの対峙がない限りこの手の話には永遠にカタルシスが訪れないのかなとも思います。
それゆえに、こうした制限された環境における「でも、この選択を大切にしよう。」という言葉は、非常に空しい響きを持っていると感じました。
余談になりますが、人間性が脳に宿るのかそれとも単なるプログラムなのかという話の派生ですが、グレッグ・イーガンの「ディアスポラ」というすばらしい作品があるので、興味があったらお勧めしたいです。解釈は色々あると思いますが、思索という機能(作用?)の終着点についての考察に、圧倒される部分があるかと思います。
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