てきすとぽい
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オナモミ
(
大沢愛
)
投稿時刻 : 2015.06.06 22:04
最終更新 : 2015.06.06 23:39
字数 : 9889
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感想:1
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コメント
2015.06.08 14:56
空母赤城
@pimeles
※ このコメントには、作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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まず単純に文章が上手いと思いました。比較的文体が抑制されていて、余計なレトリックがなくて、それでいて必要十分な情報が入っていて、凄く読みやすい文章でした。
世界観というか設定も具体的で、主人公や登場人物それぞれの特徴に無理なく個性が割り振られてて、魅力があるとされている人物に実際に相応の魅力があって、ストーリーに入り込みやすかったです。
オナモミと庭野先生というキャラクターを重ね合わせて描写している演出は、特に庭野先生がいなくなったシーンで余韻ぽくなってていいと思いました。
結構人間関係が入り組んでて、矢印があっちに飛んだりこっちに飛んだりして全体像を把握するのが難しかったのですが、結局のところこれは復讐劇だったのかなと思います。主人公は常に劣等感全開の視点で物事を観察してますし、その根源的なポジションに茉莉花という人物がいて、彼女は丁寧にも第一志望の高校に落ちたことまでが描写されてます。そんで、その主人公が加奈子と対峙するときに、かつての自分をそこに重ねて、「あのときの茉莉花は、もしかするとこんな私をハグしたのかもしれない。」とまで言い切って、結果的に加奈子をこの高校から追い出してます。この流れからすると庭野先生はとんだ巻き添えを食らっただけなような気もしますが。
面白いのは、主人公が追い出された場所がただ単に自分の学力に見合った進学先であるところの猪珂高校だけでなくて、自分のジェンダー的な立ち位置だったのかなという部分です。だから、茉莉花が猪珂高校に落ちただけでは復讐は完了しなかった。「逃げるにせよ進むにせよ、立ち止まる気にはなれなかった。」という決意の裏に、そんな思いも隠れているのかなと少し邪推してみました。
と言うわけで全体的に楽しめましたし、読み応えがあり、こう色々と嫉妬する部分も多くて正直に言ってやられたと思うばかりです。
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世界観というか設定も具体的で、主人公や登場人物それぞれの特徴に無理なく個性が割り振られてて、魅力があるとされている人物に実際に相応の魅力があって、ストーリーに入り込みやすかったです。
オナモミと庭野先生というキャラクターを重ね合わせて描写している演出は、特に庭野先生がいなくなったシーンで余韻ぽくなってていいと思いました。
結構人間関係が入り組んでて、矢印があっちに飛んだりこっちに飛んだりして全体像を把握するのが難しかったのですが、結局のところこれは復讐劇だったのかなと思います。主人公は常に劣等感全開の視点で物事を観察してますし、その根源的なポジションに茉莉花という人物がいて、彼女は丁寧にも第一志望の高校に落ちたことまでが描写されてます。そんで、その主人公が加奈子と対峙するときに、かつての自分をそこに重ねて、「あのときの茉莉花は、もしかするとこんな私をハグしたのかもしれない。」とまで言い切って、結果的に加奈子をこの高校から追い出してます。この流れからすると庭野先生はとんだ巻き添えを食らっただけなような気もしますが。
面白いのは、主人公が追い出された場所がただ単に自分の学力に見合った進学先であるところの猪珂高校だけでなくて、自分のジェンダー的な立ち位置だったのかなという部分です。だから、茉莉花が猪珂高校に落ちただけでは復讐は完了しなかった。「逃げるにせよ進むにせよ、立ち止まる気にはなれなかった。」という決意の裏に、そんな思いも隠れているのかなと少し邪推してみました。
と言うわけで全体的に楽しめましたし、読み応えがあり、こう色々と嫉妬する部分も多くて正直に言ってやられたと思うばかりです。