【BNSK】月末品評会 in てきすとぽい season 4
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泣け ◆hlyRv5ZPWE氏
投稿時刻 : 2014.07.01 00:45
字数 : 918
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泣け ◆hlyRv5ZPWE氏
作品感想転載くん


「私は生まれてから一度も泣いたことがないの」
 とF氏の妹は言た。
 F氏は確かに妹が泣いているところを見たことがなかた。その場に居たF氏の友は、彼女のその発言に驚いていた。
「だて赤ん坊の時に、誰しも泣くものでしう?」
 F氏の友人はそう言たが、しかしF氏の妹は真面目な顔で答えた。
「私は赤ん坊の時にも泣かなかたの」
「そうなんだ。妹は赤ん坊の時にも泣いていなかたのだよ」
 そうすると、懐疑主義者であるF氏の友人はすぐにこう言た。
「この世に泣かない人なんているものですか。いいでしう。私があなたを泣かせて見せます」
 F氏の友人は、F氏の妹に感動できる映画を多数見せた。しかし彼女の反応は薄かた。
「どれもつまらないわ」
 今度は玉ねぎをひたすら切らせてみた。
「何時までやりつづければいいの?」
 やはり彼女は泣かなかた。その後もF氏の友人はありとあらゆる方法を試してみた。古今東西、涙が出るとされる行為を、彼女に試した。しかしそのどれもが効果をあげられなかた。
「本当に君は泣かないんだね」
「ええ、私は泣かないのよ」
 F氏の妹はつまらなそうにそう言た。
「じあ、次はとておきの方法を試そう」
 扉の奥から出てきたF氏の妹の友人はそう言た。
 
 その方法を試すと、F氏の妹の目から涙があふれ、F氏の妹は悲しそうに泣いた。
 F氏の友人は驚いた。妹の友人に対して、一体どんな方法を試したのかと訊いた。
 F氏の妹の友人は答える。
「なに、簡単さ。プログラムを変えたんだよ。本当は人間らしい方法で泣いてほしかたのだけれどね、やはりまだまだロボトが涙を流すと言うのは難しいらしい」
 F氏の妹の友人は、そう言た。
 彼女の唯一の友達である自作のロボトは、プログラムを変えたせいか、泣き続けている。F氏の友人は、それを見て驚いた。
 F氏の妹がアンドロイドだたなんて知らなかた。だがF氏の友人は思考をすぐ切り替えられる人間だた。F氏の妹がアンドロイドでありながらも人間らしい動きをしたことを気に入り、F氏の妹を二百万の値で買い、毎晩のように乱暴な行為をしては泣かせ、とある行為を楽しんだと言う。
 F氏の妹の友人が、F氏を縛て、跪かせてSMプレイを楽しんでいるように。
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