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第31回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動4周年記念〉
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てんごく と あな
 投稿時刻 : 2016.02.20 23:19
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てんごく と あな
ぴゅうりたん


あなと  きくと  あのひ  の  なつを  おもいだす。

ぼくは  それを  みた  ことが  た。
あな。
ても  ふかくて  くらくて。
あな。

いつの  ひか  きいた  ことが  ある。
ひとの  こころの  あなて  まるで  てんごくの  ようだ  て。
それを  おしえて  くれたのは  だれ  け。
おもいだせない。
それほど  ふかい  あな。

あなは  いつでも  ぼくらの  なかに  ある。
これも  だれかに  きいた  ことば。
あな。
たい  なん  なんだろう。
それを  しりたくて  ぼくは  あなに  とびこんだ。

とびこんだ  あなは  とても  ふかくて  くらくて。
あな。
いつまで  ても  おわりの  みえない。
あな。
それほど  までに  ふかい  あな。

あなの  なかでは  いろいろな  けしきが  みえる。
ぼくと  あるいた  せなか。
ぼくが  あるいた  せなか。
こえ  て  きこえる。
ぼくを  よぶ  こえ。
ぼくが  よぶ  こえ。
あたたかさも  かんじる。
ぼくを  だいた  ぬくもり。
ぼくが  だいた  ぬくもり。
それら  ぜんぶを  あなは  のみこんで  いく。
まるで  ぼくには  なにも  ない  かの  ように。

ぼくは  おちる。
ぼくは  おちる。
きづけば  もう  なにも  みえない。
これが  いきる  こと。
それが  いきる  こと。
だれかが  ささやく  こと。
だれもが  ささやく  こと。
ぼくは  なにを  おもえば  いい?

あなの  さきを  ぼくは  みた  ことが  ある。
とても  とても  やさしい  せかい。
はなばたけの  ような  やさしい  せかい。
あたたかい  せかい。
もう  にどと  でたくない  せかい。
いつしか  ぼくは  ひだまりの  なかで  ひざを  かかえて  いた。

これが  てんごく。
それが  てんごく。
なくした  ものが  ありつづける  てんごく。
でも  ぼくを  よぶ  こえが  せかいの  ひざしを  きりさくんだ。
ぼくの  てる  こえ。
ぼくが  しらない  こえ。

そうして  ぼくは  あなから  でて  きた。

ぼくを  みつめる  ふたつの  め。
ぼくを  ひきよせる  ふたつの  うで。
ぼくは  うに  なきたく  て  しらないけど  てる  こえに  だき  ついた。

それから  ぼくは  あなが  みえない。
それから  ぼくは  てんごくは  しんじない。

あなの  おわりに  ぼくは  いる。

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