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我ながらホレボレする文体を自慢する大賞
〔 作品1 〕» 2  12 
文体戦争
茶屋
 投稿時刻 : 2013.04.20 21:25
 字数 : 1255
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文体戦争
茶屋


 ―風/大気を感じる。
 天上には月。
 夜。
 文体Aは疾駆する。走る。駆ける。
 ―敵はどこだ。
 だが、振り返るわけにはいかない。
 現時点での原則は、多大な損失を招きかねない。
 翻訳文体Cの攻撃「誤訳」により、文体Aの構造大きな損傷を受けた。
 ―だから。
 文章を、短く、区切る。
 それが最善の防御策/現状維持策なのだから。
 だが、それにも限界はある。
 ―反撃にでなければ。
 その布石として、文体Aはギブスンダ/ギブスンスラを発動する。
 記号を織り交ぜ、文体Cに対抗するのだ。

<中略>

 かつては難攻不落の城の如き鉄壁の防御を構え、匠に敵を翻弄する老将と言われた文体Eもついには敗れた。
 血のように赤く、紅葉のごとく美しい色をした月の夜の晩であた。
 岩山の如く重厚にして、その装飾は当代随一の美しさた言われた構造の鎧も今は文体Bの攻撃によて削ぎ落とされている。
 こうして北天の狼星、文体Eは、その生命を潰えた。
 文体Bは文体Eの残骸を目の前にして思うのだ。そういえば、今日の晩御飯は何にしう?財布の中身は厳しいけれど、せかく勝たんだし、たまの贅沢ぐらい許されるんじないか?
 そんなことを月を見ながらぼーと考えていると、ゴと鈍い音がして文体Bの構造の一部が吹き飛んだ。
 なんだ?何が起きているんだ?
 文体Bは咄嗟に身低くし、周囲を警戒する。すると今度はびうという風をきるような音がして、文体Bの構造に風穴が空いた。
 がくと崩れるその構造に次から次へと追い打ちがかけられていく。構造はめきめきと悲鳴をあげ、次第次第に局部を失ていく。
 まずいな、と文体Bが思考している間に、トドメの一撃が今まさに決まらんとする。
 その一撃を加えんとするは孤高の剣士と謳われし文体Dである。
 さあさ、どうなる文体B。
 さあさ、どうでる文体B。
 とざい、とーざい。

<中略>

 沈んでいるのかもしれません。
 違うのかもしれません。
 でも浮いてはいないんです。
 多分、浮くことはもう無いのです。
 文体Sは静かに消えるのです。

<中略です>

 しかるに文体戦争においていくつかの文体が敗れ消え去ていた。だが、本当に彼らは消え去ていたのであろうか。完全に消え去てしまう文体というものがあるのであろうか?一時的に消えたとしても、それが再び復興されるということもありえる。だが、本質的な意味で、その文体は一次消失する以前の文体と同一であろうか。さらに言えば、戦争に勝利した側の文体を消失していく文体の影響を受けざる負えず、その構造は変化させていくものだとも考える。
 ならば、他の文体を取り込んだ文体が、強者足りえるのか?
 違う。
 なぜなら彼―文体G―の目の前で幾多もの文体を吸収し合体した文体Fが崩壊を始めているから。

<中略>

 文体Wは星を見る。
 昨日も明日も星を見る。
 ずとそうしてきたから。
 これからもそうするから。
 でも、何かが昨日とは違う。
 でも、何かがいつもとは違う。
 なんで文体は戦うの?
 なんで文体は消えなきいけないの?
 文体Oは答えてくれなかた。
 いつもは笑て教えてくれるのに。

<以下略>
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