ふれあうだけで ~always with you~
――まもりたい。
それがあなたの口癖だ
った。
いつもそばにいて何もかもから君を守りたいと。
あなたが包み込んでくれるときは、いつも心地が良かった。胸が、身体が、ふわりと浮かんで、幸福感に包まれた。
でも、季節は終わった。
体中のあらゆる場所を包み込んでいた、ぬるま湯のような、薄いヴェールのようなそれは、私には、もう必要ないのだ。
訪れた新しい出会いが、守られるだけだった私に手を差し伸べる。
導かれて、私は世界に、一人で、羽ばたいていく。
もう、守られるだけの私ではない。
あなたは泣いた。でも、私にも、どうしようもない。
ごめんなさい。
あなたは、ニベア。
あたらしいパートナーは、春の穏やかな空気。
私は、ニベアおじさん。
さようなら、さようなら・・・