第46回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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アニー・ローリー 恋の真実
大沢愛
投稿時刻 : 2018.08.18 21:01
字数 : 1000
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アニー・ローリー 恋の真実
大沢愛


 若き日の失恋。
 心中・自殺等、人生からの敵前逃亡でカタをつけた気になるひ弱なストーリーとは一線を画す、リアルな人生。
 18歳での恋、そしてその後も61年続いてゆく日々。
 未練がましく想い出に縋る男。
 自分の人生を生きてゆく少女。
 「都合の良さ」を打ち砕く、実話に基づくストーリー
 アニーの口から、何が語られるのか……

【概要】
 17世紀末のスコトランド貴族であるマクスウルトン卿のサー・ロバート・ローリー家の末娘として世に生まれたアニー・ローリー
 長ずるにつれ、美少女として国中に知られることとなる。
 アニーはやがて貴族の青年ウイリアム・ダグラスと恋に落ちる。
 だが、アニーはまだ若い上に政治的立場を異にするアニーの父によて二人の仲は裂かれてしまう。
 アニーを失たダグラスは傷心のあまり……別の女性エリザベス・クラークと駆け落ち。
 詩人でもあたダグラスはアニーへの思いを詩に残したものの、結局それ以外の詩は世に出ないままで終わた。
 アニーも傷心のあまり……クレイグダーク領主アレクサンダー・フガソンに嫁ぎ、彼女を愛した夫によて大邸宅や庭園まで造られた。
 夫との仲は睦まじく、多くの子供と孫に恵まれ、当時としては長命の79歳まで生を全うした。
 一方、ダグラスの残した詩はスコトランドの作曲家・スコト夫人によて曲がつけられ、やがて世界中に知られることとなたが、ダグラスの詩はそのままでは使い物にならず、幾度となく修正が加えられたという。

 ダグラスは年老いてもなお、アニーの美しさを讃え、引き裂かれた恋を悔やみ、生まれ変わたならぜひ一緒になりたい、と繰り返し語ていた。

 一方、老境のアニーのもとを一人の作家が訪れる。
 少女時代の悲恋について聞かせて欲しいと告げた作家に対して、アニー……
「どなたですか、その方」
 ダグラスについて説明されると、アニーは顔を顰め、吐き捨てるように言た。
「私はなんにも知らない娘でしたからね。調子の良いことを言てくれるあの人に、あさりと騙されてしまたのです。父との政治的立場の相違など、予め分かていたことですからね。それなのに無責任に結婚の約束をして、夢中になた私を利用して押し切るつもりだたんでしう。ほんとうに狡い人でした」
 作家は何とか美しい思い出を話して貰おうとしたものの、アニーは首を振た。
「あの人は若くて美しい娘が好きだただけですね。汚らわしい」
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