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第46回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
〔 作品1 〕» 2  15 
〈予告編〉
 投稿時刻 : 2018.08.18 16:35 最終更新 : 2018.08.19 08:24
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更新履歴
- 2018.08.19 08:24:00
- 2018.08.18 20:12:46
- 2018.08.18 16:45:31
- 2018.08.18 16:40:17
- 2018.08.18 16:35:10
〈予告編〉
たかはし


 砂埃が舞う大通りに、人影はまばらであた。

 何だよ。折角はるばる街まで買い物に来たてのに店開いてねーん。男はサンダルを脱いで中に溜また砂を捨てながら悪態をついた。

 だがこの男は、街が賑わていれば賑わていたで、「何だよ。すげー混んでんじん」とイライラしだすタイプである。いずれにしても不機嫌なのだから、街としては迷惑以外の何物でもない。

 ほとんどの住民は男の形相をみると道のわきにさと避け、狭い路地へと姿を消した。ドローンで見るとモーゼが海を割るかの如くであた。そして店主たちも男を見ると即座に店に駆け込んでシターを下ろし、鍵を閉め、アルソクの機械警備を開始したのだた。

 さらに人影がまばらになた通りの真ん中で、その一番の原因は街がひそりとしている原因を探ろうと考えた。
 誰でもいい。誰でもいいからこの事態を説明する人間を探そう。まずその発想が通り魔のそれであた。通り魔の目をした男が大通りの真ん中を不満そうな顔をして周囲を見回しながら歩いているのである。

 そのうち、通りにいるのはチク付きビニール袋に入た粉を素早く現金と引き換えているような若い衆だけになた。
 男は若い衆に近寄た。若い衆は一斉に立ち上がり、集団で睨み返す。しかし男はそんなことは全く意に介さず、ずんずん近付いていく。男は普段は羊相手に笛を吹くのを仕事だと思ているような、常軌を逸して単純な男なのである。

 男は若い衆を追いかけ回す。若い衆は逃げ回る。男はそのうちの一人を仔羊のように捕まえて、何かあたのか、二年まえに此の市に来た時は、街は賑やかであた筈だがと質問した。若い衆は、ぐたりと首を垂れて答えなかた。

 男は若い衆を道端に投げ捨て、今度は逃げ遅れたらしい老爺に、もと語勢を強くして両手でからだをゆすぶて質問を重ねた。「言わぬと、これだぞよ」男は懐中から短剣を取り出した。

 老爺は震えながら声を絞り出した。「お、お(ね)が(いします)……殺(さないで下さい、何でも)します……
「王が人を殺す、だと!?」男は、あうあう喘いている老爺を道端に投げ捨て、唾を吐いて黒くそびえる王城を睨んだ。

「呆れた王だ。生かして置けぬ」歩を進めた男は、道端に転がる老爺に笑顔で親指を立てた。

「任せておけ。そんな王、俺が牢屋にぶち込んでやる——老爺だけに、な!」




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