「異国情緒」あふれる鳥取砂丘を観光した。
だだっ広く広がる広大な砂場。それが鳥取砂丘だ。

今日は4月30日。
私は突然思い立って、昨夜から旅日記を書くことにした。
就寝前に宿屋の机に向かい、今まさに万年筆で日記を書いている。

この10連休中に、山陰路の観光をすることにした。
昨日京都を出発し、今日は鳥取砂丘というわけだ。

鳥取砂丘には、実はオアシスがある。
というか泉が湧いている。といっても斧を投げ込んで、泉の精が出てくるような深い泉ではない。
どちらかというと、平泉成が出てきてサスペンスドラマの最後よろしく、犯人の動機を問い詰めて、観念させそうな砂丘の馬の背。そこから、勢いよく30メートル下に駆け下りた、その底に浅く水たまりができているというだけに見える。
が実際は地下水が湧きだしているらしい。


と、ここまで来て私は今、何か大切な「忘れ物」をしている気がしてきた。
宿屋の机に向かいながらスマホを取り出し、時刻を見ると「０時５分」の表示。
「レイレイレイゴーかあ……」

それがなんだ。私は何が気がかりなんだ。脳みそがもどかしい。
私はもっと大切なことを書くべきではなかっただろうか。
でも、じゃあ、それは一体、何なんだろう。


結局、思い出せぬモヤモヤのまま、私は仕方なく日記帳をそっと閉じた。

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