てきすとぽい
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遊び場
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勇者の敗北から始まる物語
(
バルバルサン
)
投稿時刻 : 2019.05.17 19:44
字数 : 1577
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勇者の敗北から始まる物語
バルバルサン
「勇者様! どこにいら
っ
し
ゃ
るのですか? 」
「ん?マリアー
ゼか。ここにいるぞ」
「ここ
っ
てどこです! また屋上ですか? 」
「ああそうだ。上見て見ろよ」
「あ、見つけました。探しましたよ」
「君も上が
っ
てこいよ。星空がきれいだぜ」
「また眺めていたのですか?」
「ああ、そうだよ。」
「本当に星空が好きなんですね。少し待
っ
ていてください。そ
っ
ちに行きますから」
「お、ココアも持
っ
てきてくれたんだな」
「はい。温かくて、甘ー
いココアです。どうぞ」
「君の淹れるココアは本当においしいから嬉しいぜ
……
っ
て、アチチ! 」
「あ、勇者さま
っ
たら」
「ははは、か
っ
こ悪い所見せち
ゃ
っ
たね。じ
ゃ
、一緒に星を見ようか」
「はい。ご一緒いたします」
「今日も、本当にきれいな星空だ」
「はい。キラキラと輝いていて
……
本当に綺麗」
「この星空に輝く星
……
違う世界でも、それは変わらないな
ぁ
」
「あ! 今、流れ星が! 」
「ほんとだ。しま
っ
たな
ぁ
。願い事をし忘れた
……
」
「何を言
っ
ているんですか? 流れ星は星空の女神の涙です。き
っ
と、星空の女神様に悲しいことがあ
っ
たに違いありません」
「あー
そういや、こ
っ
ちにはそういう風習が無いんだ
っ
たな」
「風習ですか。勇者様の故郷の、ちー
き
ゅ
? ち
っ
き
ゅ
う
……
何でした
っ
け? そこの風習なのですか? 」
「そうだ。流れ星に、三回願い事をすれば、願い叶う
っ
ていうね」
「へ
ぇ
。変わ
っ
ていますね。では、勇者さまはどんな願い事を?」
「
……
故郷に、帰る事」
「え、で、でも」
「わか
っ
てる。俺は、君が信仰する女神に、生き返らせてもらう代わりに、違う世界に飛ばされた。もう死んでいる俺が、元の世界に戻ることは
……
できない。でも! この世界を救
っ
た後、もし女神に会えたら
……
元の世界に、帰りたい。それを願うくらい、自由だろ? 」
「勇者様
……
」
「なあ、シスター
・マリアー
ゼ。君にお願いがある」
「何でし
ょ
う」
「俺のことを、ヒロキと呼んでくれ」
「え? 」
「俺の名前は、勇者じ
ゃ
ない。ヒロキ。ダイモンジヒロキ。お願いだ。今だけでいい。勇者としての俺ではなく、ただのヒロキで居させてくれ」
「
……
はい。ヒロキ様」
◇
「う
……
う
ぅ
……
は
っ
!ハ
ァ
、ハ
ァ
」
「起きたか。勇者」
「なぜ、殺さなか
っ
た。気絶しているうちに、殺せたはずだ」
「確かに殺せた
……
が、そんな卑怯な真似、魔王たる私ができるわけが無いだろう」
「
っ
ふ。騎士道精神
っ
てやつか? 」
「そんなところだ。さあ、休憩は十分か?」
「ああ。十分だ。行くぞ! 」
「こい! 」
◇
「私の、勝ちだ」
「ぐ
……
は
……
」
「残念だ。出会いが違えば、友人になれたかもしれないのに」
「は
……
はは。確かにな
……
お前ほど、正々堂々とした奴は初めてだ」
「何か、言い残すことはあるか? 」
「
……
この部屋の外に、シスター
がいる。そいつは、見逃せ」
「わか
っ
た。体が辛いだろう。一撃で、あの世へ送ろう」
◇
「命の限り魔王と戦い、命の限り何かを守り
……
君は確かに勇者だ
っ
たよ。名前、聞いておくべきだ
っ
たかな」
「は
ぁ
、は
ぁ
……
勇者様! 起きてください、勇者様! 」
「君が勇者の言
っ
ていたシスター
か」
「ま、魔王
……
よくも、よくも勇者様
……
ヒロキ様を! 」
「ヒロキ
……
か。そうか、彼が」
「
……
私を、殺さないのですか」
「勇者ヒロキとの約束だ。君は見逃す」
「
……
う
っ
……
ぐす」
「星空をかける流星は、女神の涙」
「え、何を、言
っ
て」
「私の、前世の故郷では、流星に願い事を三回すれば、願いが叶うという」
「
……
っ
! あなた、まさか、ヒロキ様と同じ」
「勇者は死に、魔王が勝
っ
たこの世界に、未来はない。私は、この世界すべてを滅ぼす。が
……
私を止めたいのなら、勇者を目覚めさせたいのなら、女神の涙を三つ探すがいい。それで、君の願いをかなえろ」
「
……
なぜ、私にそんなことを」
「さあね。ただ
……
私は、ハ
ッ
ピー
エンドが好きでね。シスター
よ。弱いただの人よ。私を、止めてみせろ」
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