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第10回 文藝マガジン文戯杯「気づいて、先輩!」
〔 作品1 〕» 2  18 
パクリ上等!
 投稿時刻 : 2020.01.24 18:00 最終更新 : 2020.01.24 18:01
 字数 : 2415
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目次
1. 俺がまだ独立する前の話だ。
2. さて、先方の会議室で、先輩がプレゼンをしはじめた。
3. この案件は俺が引き受けと言うか、会社の戦略上、この会社に専念しろと言うことになり、結果としては成
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更新履歴
- 2020.01.24 18:01:13
- 2020.01.24 18:00:55
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 さて、先方の会議室で、先輩がプレゼンをしはじめた。
 先方は総務と人事の方が二人ずつの計四人が参加していたが、プレゼンがはじまるとどうにも様子がおかしい。
 なにか、にやにやしたり、苦笑している。
 俺も途中で気づいた。
 これはうちの下請けに昔、作らせたプレゼン資料で細かいところがトレンドとあていない。
 とても、この提案している会社の研修では使えない設備を書いていた。
 さらに、他の支店に居た時に、このプレゼン資料の宿泊先でトラブルがあり、うちの会社は出禁になていた。
 正確には下請けのバス会社がちんぼをやらかしたのだが、うちの責任であたのは間違いない。
 先輩が気づいていれば。
 先輩、気づいてと思た。
 プレゼンが終わると、先方の総務部長が質問をしてきた。
「この資料はMさんが作たのかね?」
 Mさんとは先輩のことだ。
 先輩はなにを言うのかとばかりに。
「ええ、そうです」と応えた。
 この時点で俺は逃げたくなた。
 総務部長は、さらに問いかけてくる。
「実はMさんには内緒でH旅行社さんにも相見積もりを取ていたんだよ」
 そこで、やと先輩は気づいたようだ。
 そうだ、そのH社の資料をそのままパクていたのだ。
 もう、俺は我慢できずに先方の前に行き、土下座をした。
「申し訳ありません、私の管理不行き届きです」
 総務部長は、あまり怒ていなかた。
「いや、Hさんが育休に入ることは知ていたから、Hさんには怒ていないよ。もともと、Hさんの話は筋がよかた」
 総務部長はMさんのほうを向き。
「うちの社長が御社の役員と大学の同窓生でね。そこのネトワークで一応、相談していたんだよ。だから、今回のことはなんとなく予想がついていたんだ。君はパクリや使い回しでやらかしていて、だから昇進できなくて、後輩であるHさんの部下になているのも知ていた」
 M先輩は耐えかねて、開き直た。
「ええ、じあなんで、わざわざこんなことをしたんですか?あんたたちも悪い奴だねえ。俺は自分の仕事を効率化しているだけでね」
 総務部長は、内線電話をかけた。
 すると、会議室のドアが開き、うちの役員が出てきた。
 先方の総務部長は、うちの役員と二言、三言会話をした。
 その後、役員は口を開いた。
「いや、今回のプレゼン、ちんと録画しているんだよ」
 総務部長は若い社員に指示をして、デスプレイに出力する画像を切り替えた。
 そこには、今回のプレゼンの録画が映ていた。
 うちの役員は、あまり怒ていなかた。
「総務部長、ご協力ありがとうございました。H、とりあえず、もう謝罪しても無駄だから、その足で自宅へ帰りなさい。追て、会社から連絡をする」
 先輩は不満げな様子だたが、従い会議室を出て行た。
 その後、役員は俺のほうを向いて、口を開いた。申し訳ないと言う感じだ。
「いや、H君には茶番に付き合わせてすまなかた。ただ、ことを機密裏に進めたくてね。この案件自体はこれからは君が手がけなさい。先方もそれを望んでいらる。名誉挽回は君次第だ」
 総務部長も「Hさんは親身になてくれたので、私たちにもひらめきがあたりして、助かていたんです。引き続き、付き合てもらえればと思う」
 俺は、総務部長に頭を下げ、その言葉を受け止めた。
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