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毎年の憂鬱
投稿時刻 : 2020.04.18 23:36
字数 : 954
5
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コメント
2020.04.26 01:14

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詩情が素晴らしく良い。何かの弔いであり、そこには置いてきぼりになった何かがあるように思えた。一年後が来るのは「あたし」だけで、もしかしたら死者のように思える人影は、父親なのか元カレなのか、「そいつ」にはもう一年後は来ないのかもしれない。「あたし」という女性的な一人称の上に、多少乱暴な文章を重ねてくるところが、また主人公の心持ち、その対象への甘えさえも上手く表現していると思われる。未来というのは否が応でも「進む」ということで、進むことは、進まない存在とは相容れない。置いてきぼりになった側が、置いて行かなければならないという役割の交代。置いてきぼりになったからこそ、置いてはいけない。そういった物がとても良く書かれていた。晴れ着のままあぐらなどの細部も、関係性の表現には秀逸。
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