第20回 文藝マガジン文戯杯「記念日」


 
『妹』にコメントされました。
2022.08.29 02:32

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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主人公の精液と妹の涙が対比になっていて面白い着眼点だと思いました。受け止める相手がいない精液と拭われた涙、同じ体から出る液体で関係性の違いを巧みに描けている気がします。犯すというキーワードも良いチョイスですね。強引にでも関係を作りたい主人公なりの渇望が伝わりました。
短い作品だと描写の不足で難しいですが主語の省略等、もう少し推敲を重ねればより良い作品になったと思います。

『アジアの片隅で/玉山紀行』にコメントされました。
2022.08.29 19:19

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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簡潔で淀みなく流れる文章はいつもながら素晴らしいです。やんごとなき方々をガイドする緊張感が作品全体を通して漂い、作品をほどよく引き締めています。「やんごとなき」も効果的です。登場人物の印象を最初に絞ることで少ない描写でも読者が想像した人物像を壊さない見事な技術ですね。
気になる部分は二点です。まずは「中華式の大きな丸いテーブルは~絶望的な現象も起きないはずである。」の部分。「~ささやかな規模で、」、「幼女がテーブルに来て、」と連続しているので一瞬状況の把握に混乱しました。「テーブルに来て、」の句点をカットしたほうが良いかもしれません。
次に「総武線快速のようなベンチシート」の記述です。自動車のベンチシートと通勤電車のロングシート、快速電車のクロスシートが頭の中でごっちゃになって分かりづらかったです。念のため玉山周辺の鉄道を調べてみましたが、阿里山森林鉄道祝山線もクロスシートに近い配列の車両とロングシートの車両があって余計混乱しました笑 総武線快速ならばクロスシートに変えたほうが良いかもしれません。いずれにしても「ニイタカヤマノボレ」を打った船橋送信所のそばを通過する総武線快速が描写されていて、個人的には面白かったです。

『迂闊な記念日』にコメントされました。
2022.08.29 22:07

※ 作品の展開や結末に関する内容が含まれています。
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嫌味のないユーモアが愉快で最後まで楽しく読めました。過去作を含め数編の家族ものをまとめて書籍にしたら素晴らしい一冊になるのではないでしょうか。この家族の日常をもっと楽しみたいと思いました。
「ゴールデンウィークといえば~七万円くらいは何とかなるか、その程度の認識でタカを括っていた。」の部分が少し気になりました。「その程度の認識」でオチが推測できてしまう読者も多いと思います。「七万円」と「その程度の認識」の間に別の文章を入れて「七万円」への意識を読者から切り離すか、「その程度の認識」自体を削除するか、はたまた「七万円」を後半まで引っ張って金額の違いを落差のある展開で強調するか、他にも様々な構成方法がありますが、個人的にはオチが弱くキレがなかったような気がしました。もっとも予定調和の面白さもありますし、急展開は穏やかな家族の日常に合わないとも思いますので、まあ、好みの問題です笑


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