第7回 てきすとぽい杯
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おやつ考
投稿時刻 : 2013.07.20 23:26
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おやつ考
住谷 ねこ


休日の2時か3時
もしもでかけてたりしたら
てきてから

それが たとえ もう夕飯よ
てな時間であても

「おやつ」にしようか。

というのが
我が家の 
誰というのでもなく

みんなの口癖だ。

うちの家族は

おばあちん しみ 76才
とーさん 真琴  52才
かーん 美香子 50才 対外的には47才
違いがあるのか?といつも疑問。

俺 駿太 25才 フリーター

妹 桂 19才 学生

という構成だ。

おばあちんはプリンとかゼリーとか
ババロアとか歯ごたえのない ヌルんとしたものが好きだ。
だからて歯が悪いわけじない。
靴底のように固い 
心配になるほど安い焼肉食べ放題の牛を
うまいうまいと なんなく食いちぎるほど
丈夫だ。

とーさんは「おやつ」という単語が似合わない。
まあ 歳相応にたるんだり
うすくなたり
多少はしてきたものの
どちらかといえば 
まだまだ いける なにがいけるんだかわからないけど
とにかく そういう外見をしながら
実は 我が家で一番おやつにこだわり
一番おやつを欲しがり
おやつにありつけないとか
おいしくなかたとか
根に持つタイプで
その好みは一貫しているようでしていない。
ヌルン系も好きだし
ふわふわ系も好きだし
歯ごたえのあるものも好きだ。
キンキンに冷やしたチコレートなんて大好きだ。
洋物も和物も分け隔てしない。

いもうとの桂。
こいつは女のわりには
どこそこのパンケーキだの
どこそこのモンブランだの
クレープがとうしたとか
どこそこのデザートはうまいとか
コンビニの 自分にご褒美みたいな
と贅沢スイーツなんてのも興味ないらしく

俺の彼女はコンビニスイーツ命で
今日はがんばたから帰りにどこそこのなになにを買うんだ
とか騒いでいて なんだ?それ? と聞けば
えー知らないのー
流行てるのにー
新製品なのにー
と あの極上スイーツを知らない奴が
この世にいるなんて信じられない
それが 自分の付き合ている男だなんて
恥ずかしい
情けない と嘆くほど有名らしいので 

「今、フミマのなになにがうまいんだて?」
と 聞いてみれば 「?????」な反応をするようなやつで

まあ だからて食べないわけではなく
出されれば何でも文句も言わずに食べる。

まあそんなうちだから
とにかく昼飯と夕飯のあいだには
必ずおやつがなくてはならないのだ。

会社だ学校だ お出かけだのときは
それぞれどうしているかしらないが
たぶんみんなそれぞれ何かしら
食べているだろうと思われる。

今日は休日で、珍しく家族5人だれも外出予定がなく
うど隣の駅に新しいイタリアンレストランが出来て
ランチバイキングを始めたというので
なかなかそんな機会もないからと食べに出た。

そして帰り道。
バイキングだから値段負けしないようにと
普通よりばかばかと食べて
もう水も入りないというほど食べて
腹ごなしに一駅くらい歩いて帰ろうと
のろのろと心なしか腹を突き出し
何気に偉そうな感じの帰路。

「ねえ おやつ買ていこうよ」

俺は吐きそうになた。
今 死ぬほど食たのに
もう おやつの心配かよ?

しかも バイキングだ
ぼいとはいえデザート類も
数種類合
味見味見とほぼ全部食べたのに……

おやつ。

なのに

「じあ あそこの ほれ和風ドーナツ屋ができたでしう?
 あれがいいな。 おばあちん 抹茶ね」
……ばあち

「私はシテルンのケーキがいいな
 最近たべてないし」
……かかかか かー

「おかあさんとおばあちんでじんけんでもすれば?
 私はどちでもいいし。ドーナツならプレー
 シテルンならフルーツタルトでいいや」
おおおおお おまええええ

とーさん。
とーさん止めてくれ。
さすがに 今日はもういいだろうて言てくれ

「どちも買えばいいだろう
 桂 ドーナツ買てきなさい。
 駿 シテルン行て来なさい」
だあああああああああああ

ていてなかたけど
俺のことだけども。
俺は実は……
こういううちだから
大きな声では言えない。

言えないけどはきりいておやつは好きじない
つか こういう環境で最近はほんと食べたくない。

どうしても食えというならおやつというか
間食は「せんべい」が好きだ。
とくにピーナツ揚が大好物だ。

ぱいものが好きなんだ。

ああ だれか。
誰か。
俺に味方をしてくれ。

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