てきすとぽい
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初夢ポップコーンの振動
(
ヘリベマルヲ
)
投稿時刻 : 2013.01.19 23:25
最終更新 : 2013.01.19 23:35
字数 : 1011
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2013/01/19 23:35:23
-
2013/01/19 23:25:10
初夢ポップコーンの振動
ヘリベマルヲ
どどどどど、そういや初夢
っ
てさ
ぁ
、え
っ
な
ぁ
に? どどどどど、は・つ・ゆ・め。どどどどど聞こえな
ぁ
い。どどどど前から気にな
っ
てたけど初夢
っ
てさ、どどどそれいま話さなき
ゃ
いけない話? どどどどおれはポ
ッ
プコー
ン製造器のスイ
ッ
チを切
っ
た。本年第一号の新作発明だ。なにとめてんのよばか、彼女はおれの手を叩いてスイ
ッ
チを入れた。どどどどどスイ
ッ
チを入れるのに手を叩く必要はない。どどどどどしぼみかけたコー
ンはふたたび爆ぜはじめた。それで初夢だけどさ、あれ
っ
てどどどどどどどうしてこんなに振動するのかわからない。どどど洗濯機を改造したのがいけなか
っ
たか。どどどそもそも脱水のたびにひどい騒音をたてる洗濯機だ
っ
た。だからどどど廃物利用してもいいと考えたのだ。どどど実験が成功してどどど大量生産のあかつきには冷蔵庫をベー
スにしよう。それはともかくどどど初夢のどどど話だ。どどどどど。
今度は彼女がスイ
ッ
チを切
っ
た。実験室は静まりかえ
っ
た。この機械ち
ょ
っ
とうるさすぎるんじ
ゃ
ない? たかがポ
ッ
プコー
ンつくるのに物々しすぎるし。ご近所迷惑よ。ていうかもう食べていいでし
ょ
。扉をひらこうとする彼女の手をおれは払い、毅然とスイ
ッ
チを入れなおした。ま
っ
たくどどどどどいやしいやつだ、どどどどどどど。これはどどど普通のポ
ッ
プコー
ン製造器じ
ゃ
ないのさ。どどどどま
ぁ
見てな
っ
て、世紀のどどどどど大発明だよ。ところでどどど初夢の話だけど、どどどどどど。
彼女は乱暴にコンセントを引き抜いた。実験室はまたも静まりかえ
っ
た。断線するじ
ゃ
ないか、デリカシー
のないやつだ。ポ
ッ
プコー
ンはもういいわ。こんなに待たされるんじ
ゃ
食べる気うせた。そうかいとおれは鼻を鳴らし、部屋を横切
っ
てブラインドをあげた。充満した香ばしい匂いは窓を開けるとたちまち薄れた。ま
っ
たく女
っ
てやつはせ
っ
かちで無粋だ。いついかなるときでもすぐさま食欲を満たせと要求する。このおれの崇高な発明意欲と比較して、いかに低俗であることか。
それで初夢がどうした
っ
ていうの? 忘れたよとおれは答えた。話す気が失せた、発明意欲とともにね。もう帰
っ
てくれ。きみの顔なんか見たくない。なによそれ、と彼女はぷりぷり怒
っ
て部屋を出てい
っ
た。玄関のドアが叩きつけられるように締まり、ばたー
ん、実験室まで振動した。
窓から首をだして彼女が去るのを確かめた。そうしておれは製造器の扉をあけ、できたての香ばしいポ
ッ
プコー
ンを独り占めした。
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