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200文字小説コンテスト
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anon
 投稿時刻 : 2014.03.25 19:46
 字数 : 200
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anon


この海は冬が深また頃には
かなたの岸まで凍りついてしまうのだそうだ
ねえきみは見たかい
月明かりの夜には
その凍てついた水面(みなも)を渡る一団があるらしいよ
鉦や太鼓を打ち鳴らしてね
踊りながらゆくのだそうだ
スカートや上着の裾を
軽やかに翻して

だがぼくらは
まぼろしを羨むことはすまい
水の上を歩く足を持たずとも
笛の音に憂いを乗せ
怒りを鼓の響きに換え
地を這い春の訪れを信じて

生きていく
きみと生きるここがぼくらの故郷
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