200文字小説コンテスト
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黄昏トラム
投稿時刻 : 2014.03.29 01:07
字数 : 200
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黄昏トラム
志田玉路


 学校からの帰り道。夕陽で街がオレンジ色に染まる中、路面電車の停留所に彼女がいた。
 すらと背の高い男子生徒と、愉しそうに話している。
 ――ああ、あの二人はお似合いだね。
 嬉しそうなその笑顔が、立ち尽くした僕の胸に穴をあけた。
 電車がホームに滑り込んできて、微笑み合う二人を乗せると、「チンチン」と合図を鳴らし、ゆくりと斜陽を掻き分けてゆく。
 黄昏が淋しさと切なさを連れて迫てくる。
 僕の電車は行てしまた。
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