200文字小説コンテスト
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ラストソング
投稿時刻 : 2014.03.31 23:59
字数 : 200
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ラストソング
茶林小一


 あなたは書物と思しき壁に四方を囲まれている。
 それらはすべてうたなのだという。それらは歌であり、唄であり、詩であるのだという。
 中央に据えられた螺旋階段を上る。あなたは目に留また書物を手に取てみていい。開いてみてもいい。
 それらはどれも、ここではないどこかから集められてきたものだ。
 あなたはそこに新たな一つを加えてみてもいい。高らかにうたい上げてもいい。
 それらはいつでもあなたに向けて開かれているのだ。
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