とても素敵なお話でした。
　リタの姿や声が黒く見える理由もとても素敵だと思いました。
　けど、人には災いをもたらすかもしれないけれど、植物あたりには良い影響があるとか、そういう部分があってもよかったかもしれません。リタの歌声が人に災いをもたらすだけでは少し寂しい気がしました。普通の人にはわからなくても、せっかくルカは音が見えるのですから、きれいだけでなく何か良い影響を与えていることも見えてもよかったかなと思います（でも、人が地球環境に対して悪影響を与える存在という考え方なら、人に災いをもたらすだけでもいいのかも……）。
　タイトルでリタのことを「ローレライ」と表現しているのも、細かいところまで考えてお話を作っているという印象を受けました。

　登場人物が少ないせいか、主人公の株価が下がった理由がすぐに予想できてしまうのが、もったいないかなと思います。

　表現が丁寧で素敵な描写が多いのですが、そのせいか後半になると話の流れが遅く感じました。
　悪魔たちの過去などがわかりにくかったので、説明がもう少しほしいと思いました。
　呼び出された悪魔がリズだと言うことは名前が出た時点でわかりましたが、最後に呼び出した青年の正体が明かされるという流れが良かったです。

　取り引きをする者たちの駆け引きのお話、と思いながら読んでいたので、最後のオチが意外すぎて爆笑しました。
　誰が話しているのかわかりにくかったり全体的に描写が物足りなく感じましたが、ラストがとても面白かったです。

肝心な部分の説明が不足しているので全体的にわかりにくいですが、お話の雰囲気はとても良かったです。
特に最後の場面が良かったです。