てきすとぽい
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第17回 てきすとぽい杯〈GW特別編〉
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便利な家
(
◆BNSK.80yf2
)
投稿時刻 : 2014.05.03 23:28
字数 : 599
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便利な家
◆BNSK.80yf2
おいらの家はハイテクさ。
見た目はち
ょ
いと古いがね、中身はどこより進んでる。
まずは玄関、自動で開くし、人が入れば勝手に閉まる、鍵までかかるすぐれもの。
電燈切れても心配無用、消えないろうそく、枯れない油、常にゆらゆら灯が揺れる。
エアコン? そんなの必要ないよ、一晩過ごせば分かるはず。
真夏だろうと背筋はぞくぞく、真冬だろうと冷や汗たらり。
BGMの種類もた
っ
ぷり。カラスの鳴き声、狼の遠吠え、柱時計の軋む音。
お次は二階だ、足元に気を付け、おいらの後ろをついてきな。
あ
っ
ちが書斎で、こ
っ
ちが客間、お
っ
とそ
っ
ちは寝室だ。気軽に覗いてもら
っ
ち
ゃ
困る。
飯が食いたき
ゃ
ベルを鳴らしな。大食堂にごちそうが並ぶ。
花を愛でたき
ゃ
庭に出な。菊に百合に黒い薔薇。
窓には寄るなよ、危ないぜ、割れたガラスが撒いてある。な
ぁ
に、ただの泥棒よけさ。
朝が早い? それなら任せろ、完備してるぜ、モー
ニングコー
ル。
寝ているあんたの胸の上、おもりを乗せて起こしてくれる。
ペ
ッ
トが欲しい? コウモリがいるぜ。
テレビはどこだ? 鏡を見ろよ。
こんな良い家、他にはあるまい。あんたも分か
っ
てくれるだろう?
でも現実は残酷さ、幽霊屋敷とあだ名され、買い手が一向につき
ゃ
しね
ぇ
。
幽霊? そんなの馬鹿げた話だ。ただの噂に決ま
っ
ているさ。
でもな、おいらは気付いちま
っ
た。
そうさ、我が家は幽霊屋敷。残念だけど真実だ。
証拠にこいつを見てくれよ。
……
おいらに足が無いだろう?
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