てきすとぽい
X
(Twitter)
で
ログイン
X
で
シェア
第一回 日本法螺小説大賞
〔
1
〕
…
〔
4
〕
〔
5
〕
«
〔 作品6 〕
»
〔
7
〕
〔
8
〕
…
〔
10
〕
4月1日締切
(
森™
)
投稿時刻 : 2013.03.30 18:18
字数 : 638
1
2
3
4
5
投票しない
感 想
ログインして投票
4月1日締切
森™
18:00。
もし、デー
トの待ち合わせがあるならば、
わざわざその場所へ遅れて行き「ごめんね、遅れたお詫びに」とか言
っ
て、薔薇の花束を渡すのだろう。
き
っ
と、花屋はこのために存在するのだろう。
19:00。
もしかすると、ある目的地に向かうまで
「実は私は宇宙人なんだ」とか「君の靴下の色、変だね」とか言うのだろう。
そういう出鱈目を並べて、相手の感情を試してみること、
それが許される日なのだろう。
20:00。
例えば、彼女は過剰な化粧に、狸のコスチ
ュ
ー
ム・プレイ。
例えば、彼氏は気狂いピエロのベルモンド。
そんなふたりは、意気投合してデ
ィ
ナー
を楽しみながら、ほらを吹くのだろう。
21:00。
もしくは、ライトア
ッ
プされた桜の並木道を歩きながら、
鼻がムズムズするとき「フ
ィ
クシ
ョ
ン!」または「フ
ィ
ッ
クシ
ョ
ン!」と
くし
ゃ
みをするのだろう。そして、笑
っ
てごまかすのだろう。
22:00。
そういうことを続けていると、次第に寡黙になるのだろう。
23:00。
もし、海に来て夜空の星を眺めるとするならば、
輝く星の煌きがもうひとつ、目の前の瞳に在ることを語るのだろう。
ロマンテ
ィ
ッ
クなムー
ドに、恥じらいながら絵空事を言うのだろう。
0:00ジ
ャ
ストに告白をする。
き
っ
かけ、タイミング、それは一年に一度しか存在しない今なのだろう。
結果がどうあれ、心は解釈によ
っ
て開放されるのだろう。
「今、言
っ
たこと、本当なの?嘘なの?」
私はそういうふうなことを想像し、虚と実を越え結ばれた男女に、
勝手な哀しみと親しみを覚えるのです。
←
前の作品へ
次の作品へ
→
1
2
3
4
5
投票しない
感 想
ログインして投票