てきすとぽい
X
(Twitter)
で
ログイン
X
で
シェア
第22回 てきすとぽい杯
〔 作品1 〕
»
〔
2
〕
〔
3
〕
…
〔
12
〕
騒音
(
茶屋
)
投稿時刻 : 2014.10.18 22:45
最終更新 : 2014.10.18 22:45
字数 : 679
1
2
3
4
5
投票しない
感想:1
ログインして投票
更新履歴
-
2014/10/18 22:45:45
-
2014/10/18 22:45:02
騒音
茶屋
隣の住人に壁ドンされる。
テレビの音がうるさか
っ
ただろうかと思い、音量を下げるが、またしばらくしてドンと音が鳴る。
ため息をつきながらテレビを消して読書に切り替える。
何でこ
っ
ちが気を使わなくち
ゃ
ならないのかと苛立ちが募
っ
てくるものの、我慢だ。
なるべく波風立たせずに過ごしたいのだ。
引
っ
越す前に住んでいたところでは隣の住人と殴り合いにまで発展したのだが、それはあまり思い出したくない。
また、ドンと音が鳴る。
糞、一体何が不満なんだ。つくづく私は隣人運が悪いというのか。
我慢だ。我慢。
そう思
っ
ていても定期的に鳴らされる壁ドンの音が頭に響いてくる。
「いいかげんにしろよこん畜生」
半ば切れて壁を叩きそうにな
っ
たところで、は
っ
とする。
音のする方向に隣室はないはずだ。
ここは角部屋だ。
あるとしたら非常階段。
何かがぶつか
っ
ている音か壁の内側の故障だろうか?
ドン。
また音がした。
こう定期的に音が鳴らされると眠れそうもない。
億劫だ
っ
たが、外に出て非常階段のほうを向かおうとすると、
ゴン、と、
少し響きの違う音が聞こえてきた。
外だ。
外の壁に何かぶつか
っ
ている感じだ。
非常階段を覗き込むようにしてみる。
人がいた。
影があ
っ
た。
暗くてよく見えないが、男の人のようだ。
目を凝らしてみると、スー
ツを来た中年の男のようだ
っ
た。
その男が、
ゴン、
と壁に頭を打ちつけている。
そしてまたふらふらとよろめいて、
また、
ゴン、
と頭を叩きつける。
狂
っ
てる。警察を呼ぼう。
そう思
っ
て引き下が
っ
た瞬間、何かにぶつか
っ
て音が鳴
っ
た。
男が振り返りこ
っ
ちを見た。
額がえぐれて血まみれにな
っ
た男がこちらを見てにたりと笑
っ
た。
← 前の作品へ
次の作品へ
→
1
2
3
4
5
投票しない
感想:1
ログインして投票