てきすとぽい
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第22回 てきすとぽい杯
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君の名は
(
茶屋
)
投稿時刻 : 2014.10.18 23:12
最終更新 : 2014.10.18 23:14
字数 : 1395
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更新履歴
-
2014/10/18 23:14:22
-
2014/10/18 23:12:29
君の名は
茶屋
「隊長! 怪獣です! 怪獣が現れました!」
「おいまさか怪獣その怪獣の名前は
……
」
「何言
っ
てるんですか隊長こんな時に名前なんてどうでもいいじ
ゃ
ないですか!」
「そ、それもそうだな、よし出動だ!」
そうは言
っ
たものの隊長の武田は怪獣の名前が気にな
っ
て仕方がなか
っ
た。仕方がなか
っ
たものの今は緊急事態だ。
素早くプロテクトスー
ツを着込み、レー
ザー
ガンを装備すると機動装甲車に乗り込んで出動した。
「とうとう怪獣が現れましたね」
「ああ、いよいよだな」
「我々の力が存分に発揮するときが来ましたね」
「そんな不謹慎なこと言
っ
てはダメですよ。今だ
っ
てけが人が出てるし、いつ死人が出てもおかしくない状況なんですよ」
隊員の穴山、板垣、甘利達はめいめいに軽口と諫言を飛ばしている。
「ところで怪獣の名前なんだが
……
」
「何言
っ
てるんですか隊長、怪獣の名前なんてこんな時にどうでもいいじ
ゃ
ないですか!!」
武田が怪獣の名前の話題を出した途端、全員が同じように隊長に異議を唱える。
「あ、ああ、そうだな。ところで怪獣はどんな形なんだ」
「はい、今モニター
に映像だします」
モニター
に映し出されたのは幾何学的な形をした奇妙な怪獣だ
っ
た。
なんというか豆腐かこんに
ゃ
くをさらに平べ
っ
たくしたような。
ベニヤ板のような。
それでいて頑丈そうな
……
そう妖怪に例えると塗か「隊長大変です!怪獣が街に向か
っ
ています」
武田の思考は穴山の言葉に遮られる。
「よし、街にたどり着く前に阻止するぞ」
隊員たちに緊張がみなぎる。
何せ相手は怪獣だ。
どんな状況になるか想定ができない。
沈黙を少しでも和らげようと武田は口を開く。
「や
っ
ぱり怪獣の名前があ
っ
たほうが呼びやすいと思うんだが怪獣の名前はか」
「隊長、怪獣は怪獣で十分でし
ょ
う!」
「そ、それもそうだな」
現場には警察やら自衛隊やらが既にたどり着いていて、道路の封鎖やらをや
っ
ていた。
装甲車に積んだレー
ザー
兵器の射程内にも間もなく怪獣も入
っ
てくるだろう。
それまでの間、怪獣の動きに注意しながら待機だ。
武田は近くにいた自衛官を捕まえると状況を聞くと同時に、どうしても我慢できない疑問をぶつけてみる。
「あの怪獣の名前なんだが」
「さあ、自分は怪獣の名前は存じ上げておりません」
「そ、そうか」
怪獣がレー
ザー
兵器の射程に入ると、自衛隊との共同攻撃が開始される。
しかし、怪獣には全く効果がなか
っ
た。
「駄目です効きません!」
「くそ!人間の力では止められないというのか」
するとそこへ光を帯びた巨人が突如現れた。
そして怪獣を殴りつける。
ドン、ドン、ドンとすさまじい轟音が鳴る。
「やはりあの怪獣の名前は」
「隊長、今はそんな状況じ
ゃ
ありません!それよりあの巨人はい
っ
たい」
「た、確かにそうだな。あの巨人のほうがすごいな」
巨人の放
っ
た光線が怪獣を打ち砕くと、巨人は颯爽と去
っ
て行
っ
た。
「一件落着ですね」
「ありがとう、巨人さん!」
「しかし、あの怪獣の名前なんだが」
「もういいじ
ゃ
ないですか怪獣の名前なんて」
武田はそこで何かが切れた。
「畜生なんで誰も言いたがらないんだ! だ
っ
てあんな形の怪獣で! お題だ
っ
て!」
「隊長どうしたんですか? お題
っ
て何のことです?」
「言わせてくれ! 呼ばせてくれあの怪獣の名前を!」
「大丈夫ですか隊長! し
っ
かりしてください!」
「あの怪獣の名前はだな。あの怪獣の名前はか」
その時、怪獣の破片が付近に墜落した衝撃音で隊長の声はかき消された。
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