Pimeles O. Levalierさん、初めまして。感想ありがとうございます。
「メンタルに差があるということは、大きな意味を持つ。」という部分は、自分が部活をやってきた中で深く実感してきたことだったので、共感できると言っていただけるのは非常に嬉しいです。異性のために頑張る、ふとした出来事が切っ掛けで思考がポジティブになるというのも、実感を伴った文章だったので、(実際にそういう人を相手にしたことがありますが、やはり強かったです。応援が力になっているのが感じられました)、共感したと言っていただけたのは嬉しかったです。
ご指摘の部分に関しては、全くもってその通りだと思います。大きな反省点です。大沢さんへの返信でも少し書きましたが、相手がメールでぺらぺらと自分の悪行を語る展開に、やはり説明的といいますか、物語の都合として書かれてしまっている感じがあり、リアリティがないのだと思います。Pimeles O. Levalierさんが仰るとおりに女性側が逆切れ、あるいは主人公側が怒りを力に変えて復讐する、なんて展開の方がお話として面白かったかもしれません。しかし、今回の自分の目標として、報われなかった主人公ががんばって地位を得て、それでも女性に裏切られたことで挫折し、どうすることもできない喪失感を抱える、という物語を書きたかったので、そのお話で魅せられなかったことが、やはり力不足だったのだと思います。
主人公には(初めての女性の喪失のために)乗り越える力が生まれなかった、どうしようもなくその時は心がくじけてしまった、その結論に至るまでの書き方が、やはり雑になってしまったのだと思います。
最後に、楽しんで読むことが出来た、と書いていただいてありがとうございます。すごく嬉しいです。
できれば、主人公の成長を示す場面をちょっと挟むとさらに光る気がします。
コートでラリーを続けていると、相手と自分の力量からだいたい展開は見えてしまいます。次の球はこう返って来て、そして追いつけずにラリー終了、みたいに。ところが、気管の内側がめくれ上がるほど苦しい中、今までなら絶対に追いつけなかった球に追いつけた。ラケットで捉えた球が相手のバックサイドのラインぎりぎりに決まる。その瞬間、コート上の世界が変わります。空気が軽くなる。死ぬほど苦しいのに、身体の底からないはずの力がこみ上げてくる。
スポーツをやっている人間はおそらくみな、こんな瞬間に立ち会いたいがために今日も死ぬ気で練習しているのだと思います。主人公のテニスはさまざまな要素を含んでいますが、芯の部分にはひたむきさがあります。ちょっと報いてあげて欲しいかな、という気がしました。
ところで・・・
これは「顧問=高樹先生」なんですよね?
高樹先生と書かれているのはベランダの場面だけで、以後は赤城ちゃんのメールの中を除けば「顧問」としか呼ばれていません。
なにか仕掛けがあるのかと思って読み返してみましたが、分かりませんでした。
赤城ちゃんは面白い子でした。ただ、もうすこし黙っていればいいのに、という気もします。彼女自身の説明の文法がどちらかというと男っぽいので、喋るほどに人物像が「男から見た性質の悪い女の子」の定型にすっぽり収まってしまって、意外性や広がりの点がイマイチかな、と。「女王」と呼んでしまうのもやや看板倒れの観、なきにしもあらず、でした。
顧問=高樹先生だとすると、どうもベランダのシーンと練習風景とで人物像が重ならない気もします。このあたりどういう意図があったのか、気になります。
前半のテニスシーンの勢いが後半にも、と思わずにはいられませんでした。