第4回 てきすとぽい杯
 1  9  10 «〔 作品11 〕» 12  21 
古代から貴女へ
投稿時刻 : 2013.04.13 23:30 最終更新 : 2013.04.13 23:44
字数 : 1127
5
投票しない
更新履歴
- 2013/04/13 23:44:31
- 2013/04/13 23:30:34
古代から貴女へ
げん@姐さん


工事現場から、古代遺跡の欠片と思われるものが発見された。
朝のニス、新聞で報道されていたのはみたけれどどれも小ネタ、三面記事程度の扱いだた。
それが今、わたしの目の前にあるなんて信じられない。

うちのゼミの教授はその筋では著名なセンセーらしいけど、ふつーのおじいちんにしか見えない。
丸い眼鏡の某フライドチキンのおじいちんにそくりで、講義もゼミも楽に単位がとれることで有名。
でも今日は見慣れないスーツの人たちに囲まれて、いつもよりずーと厳しい顔をしていた。
聞き耳を最大限立てて分かたのは、ニスでいてた遺跡の欠片が今ここにあること。発掘されたのは、いくつもの偶然が重なり奇跡的に原型を保ていた…多分紙のようなものであること。
専門用語が出てくると、ゼミでも全然真面目に勉強してないわたしにはわからない。
新しい象形文字かもしれない。文書として機能していたのかもーなんて会話が聞こえてきたら、実物見たくなるよね?

センセーのデスクに近づくために、いつもは淹れないお茶を持て恐る恐る近寄ろうとしたら、やぱりスーツに止められたけど、センセーが笑て手招きしてくれた。
さすがセンセー。お茶を置きつつチラ見してみた…けど…
[ここで挿絵]………これが新しい象形文字?
こんな大勢おさんが集まて、真面目な顔してなに言てんの?
堪えきれずに笑てしまたら、スーツのおさんに同じタイミングで睨まれてしまた。
コワイコワイ。
「でもこんなの文字じないのに…」
そそくさと去り際に呟いたら聞きとがめられてまた睨まれる羽目になた。

スーツ集団のボスがわたしに言う。
「お前に何が分かるんだ。分かるなら説明してみろ」
お望みとあらば、やりましう。
わたしは意気揚々と語り始める。
「これ地図でし?ここからこちにいくと恋人の家。こちは水場でー
「ちと待て」
てみろて言うから言てるのに何よ…
「じあこの太陽やら星やらは何だ」
「え?太陽は憧れてゆーか気になてる人の家で、月は二股かけてるオトコでし、そんで星はいちばんの親友の家‼」
どーだ参たか。
そう思たのに、わたしはスーツ集団のボスに「子どもの遊びじないんだ」てこてり絞られてしまた。

結局分からずじまいでスーツ集団は帰ていた。

後からセンセーに「何でそう思たの?」て聞かれたけど、当たり前だよね?
イマドキみんなメールはカレシに見られてもいいように、暗号にしとくものじん。
「ナントカ先輩はどうなの?」
「えーべつになんともー(月の絵文字)」
みたいにしとけば、メール見られても二股がバレない。
そんな単純なことがわかんないなんて大人てゆーかオトコてバカだなー


…真相は今も時の狭間に。
← 前の作品へ
次の作品へ →
5 投票しない