選択
――人は自分の選択をどこまで信じられるだろうか。
――自分の意思を、どこまで持ち続けて居られるだろうか。
何を選ぼうと、あるいは“何も選ばない”を選ぼうとも、時間は残酷に前へ前へと進んでいく。
在り得たかもしれない未来も、希望も、すべて過去へと押し流していく。
もしもあの時、別の選択をしていたなら。
もしもあの時、こうなると知
っていたなら。
後悔は止め処なく、しかし過去へは戻れない。
いつだって我々は、不確定な情報のみを手に未来を選ばねばならない。
あるいは、それが未来の選択である事にすら気付けない。
そして選んだ先に待ち受けるものは、さらなる選択。
選ぶという事は、それ以外を選ばないという事。
たった一つの未来のために、他の希望を握り潰すという作業。
未来は残酷な選択に満ちている。
過去は在り得たはずの未来の墓標で埋まっている。
それでも我々は、その瞬間の意思だけを胸に、選ばなければならない。
だが、選んだ先で。望んだはずの未来のその先で。
――人は自分の選択をどこまで信じられるだろうか。
――自分の意思を、どこまで持ち続けて居られるだろうか。
過去は変えられない。でも未来は選べる。
ならば、少しでもより良い未来へ。
後悔を教訓へと変えて、もっと前へと。
たとえ辛く苦しい選択であろうとも、それは確かにあなたが勝ち取った選択肢なのだから。
多くの希望の中から、あなたが掴み取った未来なのだから。
苦い過去は常にあなたと共に在る。
でもそれは、決して無駄なんかじゃない。
より良い未来を選び取るための、あなただけの力だから。
さあ、数々の選択と後悔の果てに。
あなたの意思が選び取るものは、何――?