クリスマス前にやってきた小説大賞
〔 作品1 〕» 2  5 
色々来た。
茶屋
投稿時刻 : 2015.12.17 20:56
字数 : 1464
5
投票しない
色々来た。
茶屋


 最初の、そう一連の事件の始まりは、何かの間違いか、あるいは悪質ないたずらか、質の悪い冗談かと思た。
 そりそうだ。
 朝目覚めたら、見知らぬ靴下が枕元に吊るしてあたんだから。
 赤と白を貴重とした派手な靴下。俺はそんな靴下持ていないし、趣味じない。そもそも俺の足のサイズより遥かに大きい。
 昨日の忘年会で飲み過ぎたかな。そんな記憶はないのだが、記憶をなくすほど飲んだつもりもないのだが、可能性としてはそれぐらいしか考えられない。
 我ながら珍妙なものを、と思てその靴下はとりあえず放ておいて出社した。

 帰宅と同時に目を疑た。
 明かりをつけた部屋には、変な鳥が鎮座していた。確か……七面鳥とかいう鳥だ。ドアに鍵はかかていた。窓も開いていない。郵便受けから入れるのは無理のあるサイズだ。
 Why? How? 
 どこからか逃げ出してきたにしろ、誰かが俺の部屋に運び込んだにしろ、謎だらけである。
 七面鳥と目が合う。
 とりあえず、暴れたりはしていない。まあ、とりあえずと思い。潰してあたダンボールを組み立て、その中に七面鳥を入れた。
 幸い、七面鳥はおとなしくダンボールの中で落ち着いていてくれる。
 こいつ、餌はなんだろうと思いつつ、いやいやこのアパートはペト禁止だと思い直し、警察に連絡することを考える。
 だが、結局面倒になてその日は晩酌をして寝た。

 翌朝、床から芽が生えていた。
 植物の、青々とした芽である。
 床を突き破たかと思うが、ここは三階。下の住人がそこまで放置したとは思えない。風で飛んできた種でも根付いてしまたのだろうか。
 コーヒーを飲みながらダンボールの七面鳥と床の芽を交互に見る。
 窓の外からトナカイがこちらを見つめている気がするが、多分気のせいだ。
 そうこうするうちに出社時間だ。
 帰てから考えよう。
 そう思て出社した。

 帰宅と同時に目を疑た。
 今度は明かりをつけるまでもなかた。
 何故なら朝は芽であたはずのあの植物が立派な木に成長し、天井スレスレまで枝を伸ばしている。
 しかもリンゴやら星やらリボンやらで飾り立てられ、巻きつけられた電飾がきらびやかに明滅している。
 しばらくドアの前で呆然としていると、今度は轟音と揺れが襲てきた。目の前には土煙か埃のようなものが舞い上がり、視界を遮られる。
 ようやく視界が開け、慌てて電灯をつけると、そこにはレンガ造りの煙突が天井を突き破て床にめり込んでいた。
 あ、これダメな奴や。
 そう思た瞬間、今日は寝ることに決めた。
 幸いベドは無事だ。
 明日は半休をとて病院へ行こう。そう思いながら、夢のなかに落ちていた。

 金縛りか。
 夢か。
 幻覚か。

 赤い服を来て、白いひげを蓄えた老人がホーホーホーと笑ている。
「時は満ちる」
 老人は低い声でそう言た。
「復活の儀は整た。我らが悲願、我らが復活の時」
 老人の声は優しげだが、どこか不気味だ。
「選ばれし者よ。心しておけ、貴様は依代となるのだ。我らが聖なる赤き老人の」
 老人の姿は次第に朧気になていき、やがて消えた。
 悪夢だた。

 秘密教団WSCCは崇拝する異神「赤き老人」をこの世に招来すべく、その依代となるものを探していた。
 それが俺だたわけで、かつて滅び去り、異端とみなされた文化の復活のため、俺はその力を得たのだ。
 そして不幸にもその復活を阻止しようと目論むバチカンの刺客達との戦いが待ていたというわけだ。
 そして決戦の日がやて来て、なんやかんやあたわけだが。
 またく、とんでもない話になるわけだがだが、その話はまた後日だ。今回はそれがやて来た前日譚だけてことだから。
← 前の作品へ
次の作品へ →
5 投票しない