てきすとぽい
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第39回 てきすとぽい杯
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僕と妻と調度品
(
ぴりからっと
)
投稿時刻 : 2017.06.17 16:02
字数 : 685
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僕と妻と調度品
ぴりからっと
なんて素晴らしいかほりなんだろう。
僕は奥さんの服をフンガフンガする。
乱雑に床に脱ぎ捨てられた奥さんの体温を失
っ
た短めのピンクのワンピー
スに、僕は覆いかぶさ
っ
てハアハアと息荒くする。
その時だ
っ
た。
意思を失
っ
た衣服が、はらりと動き出して、僕の顔に優しく巻きつくのだ
っ
た。
ああ、このまま窒息死していい。
奥さんのまるでロー
ズの香りのごとく、鼻腔を甘くくすぐる。
僕は、巻きついてきたワンピー
スを、奥さんが抱くようにそうする。
奥さんがいつもそうするように、ワンピー
スもふんわり笑
っ
て僕を受け入れてくれる。
奥さんの体に触れていたものは、全部が全部、生き物だ。
靴だ
っ
てそうだし、あの麗しいおみ足を覆い尽くして、見る者すべてがそれを剥ぎ取りたいと思わせるもの。
究極に突き詰めていけば、化粧水もそうだし、乳液でき
ゃ
わわな奥さんの肌を優しく触れていたい。
ああ、気づけば僕の目の前には、魅惑の湯気に包まれて奥さんの肌を潤している間の珍事。奥さんの全てが僕のそばにあ
っ
た。
僕は奥さんの入浴タイム60分をす
っ
かり忘れて、あははうふふしながら、モゾモゾと奥さんの残り香を楽しんでいた。
『で?』
僕は熱さを覚えた頰を撫でる。
『洗濯カゴからわざわざ取り出して?
靴まで持
っ
てきて?
身体に巻きつけて何がしたいわけ?』
「いやあ。。。奥さんの全部が欲しくてさ!』
僕はキラ
ッ
と歯を見せて笑う。
キマ
っ
た。
『この
……
』
変態が!
真夜中のアパー
トの一室で、景気よく鳴り響いた破裂音を聴きながら、僕は奥さんがき
ゃ
わわすぎて、憤死した。
自分の意思があるがごとく、僕にまとわりついていた奥さんの残り香はもう何も匂うことはなか
っ
た。
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