第40回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
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レッツゴー仮面ハンター
投稿時刻 : 2017.08.20 13:04
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レッツゴー仮面ハンター
ポキール尻ピッタン


うわ47年8月6日
うは、おかあさんとデパートでかめんハンターをみました。みどりのわるいやつが三村くんをつかまえたのに、三村くんのかぞくはわらていました。そのあとかめんハンターがやつけてくれたから三村くんがたすかてよかたです。三村くんのかぞくはずとわらていたので、わるいやつにあやつられていたのかわからなかたです。

 昭和58年8月12日
 世間はお盆休みなのに無茶苦茶忙しかた。悩みがなさそうな学生が次から次へとやてきて酒を頼みやがる。たいして歳が変わらないのに顎で使いやがて。ビールが温いとか文句を言ているんじねえ。女を侍らせていたサー気取りのやつ、あいつ、スズキのマイテボーイを買たとか言てたな。てめえで稼いだ金じないだろ。いまに見ていろよ。俺は来週オーンを受ける。お前らが憧れる芸能人になてやる。

  昭和59年8月6日
 拘束時間があまりにも長くて、休みにすることが思いつかない。
 4月から始また「仮面ハンターBRIGHT」はおかげさまで好調らしい。撮影現場では子どもたちがキラキラした目で声を掛けてくる。
 そういえば子どもの頃、シを見に行たな。俺がこの役を演じるのは運命だたりして。
 来年は単発のドラマとか映画に出たいな。

 平成元年8月12日
 俺は役者を辞めて田舎に帰ることにした。馬鹿馬鹿しくて、もう我慢ができない。何年経たと思ている。どこの現場に行ても仮面ハンター俳優扱いだよ。あんなものは役のひとつだろ。俺は俺なんだから、もう解放してくれよ。

 平成29年8月12日
 結局、自分の可能性に憧れを持てなくなていたのだろう。
 故郷に帰た私は友人の測量事務所を手伝い、不満のない充実した生活を送ていた。ある日、友人がそろそろ資格を取たらと勧めてきた。そのときに気がついた。返事をせずに笑ていた私は自分を諦めているのだと。
 だから連絡をもらたときは嬉しかた。もう一度憧れる存在になれるかもしれない。
 昭和と平成の仮面ハンターが勢揃いする映画「レツゴー仮面ハンター」に、私はBRIGHT役で30数年ぶりに出演した。
 体に染み込んだ変身ポーズがスクリーンの中で輝いていて、私は思わず劇場で涙ぐんだ。
 舞台挨拶で私に送られたのは、たくさんの拍手と笑顔だた。わずかな灯りでもはきり見えた。それはわずかな灯りを探し求めなかた私への大切な贈り物だた。
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