エントリー作品◆第73回 てきすとぽい杯むっちんプリン(939字)投稿時刻 : 2023.02.18 23:54 化粧水が欲しいとか急に言いだすからさ、仕方なくドンキに来たよ。夜中の2時だっていうのに、若い小僧らがフロアに溢れていやがる。2月なのに学生はもう春休み...
◆第68回 てきすとぽい杯Chill Out(753字)投稿時刻 : 2022.04.17 00:40 先月まで入居者がいたはずの古いアパートはいつのまにか取り壊されていて、商業ビルが並ぶ駅前通りは虫歯でも抜いたみたいにぽっかりと隙間ができていた。金属パ...
◆第67回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動10周年記念〉分岐(621字)投稿時刻 : 2022.02.19 23:43 小学3年生の思い出。
住宅地を抜けるとすすきの野原。湿ったダンボールを重ねて建てた仮住まい。基...
◆第62回 てきすとぽい杯俺に願いを(1468字)投稿時刻 : 2021.04.18 00:34 この自伝を最後まで読んではならない。たとえ自分が嫌いで他の誰かに生まれ変わりたいと望んでいても、あなたの願いは決して叶うことはない。 ...
◆第61回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動9周年記念〉目玉しゃぶり(1570字)投稿時刻 : 2021.02.14 00:13 日本三大云々と呼ばれる名勝は数あれど、瀬田川を渡る唐橋は天智天皇の時代からその名を轟かせている由緒ある日本三大橋のひとつだ。巷には滋賀県には琵琶湖しか...
◆第59回 てきすとぽい杯接着剤に気をつけろ(2260字)投稿時刻 : 2020.10.25 23:39 ラッキーの駆け回る足音が、玄関の外まで響いている。私の帰宅を待ち構えるような忠犬らしさなんて、いままで微塵も見せたことがないので、おそらく貴美子が遊ん...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・後編〉嘘泣きリクエスト ~最後のリクエスト~(1780字)投稿時刻 : 2020.08.30 22:33「杉山さんには、黙っておくつもりだったのですが……」
車寄せに停まる送迎バスへ体を向けたまま、私は神妙な表情を作って七緒さんに...
◆第58回 てきすとぽい杯〈夏の特別編・前編〉あんた、邪魔。(2499字)投稿時刻 : 2020.08.16 18:16 男子からJELLYの宮瀬いとに似てるとか言われてさ、ちやほやされて調子に乗ってるE組の榊原がなんだかムカつく。あたしから見ればあんなのただの一本まゆ毛だし...
◆第57回 てきすとぽい杯バスガス爆発(予定)(1207字)投稿時刻 : 2020.06.13 23:45 世界征服を目的に結成された秘密結社「シャドーウェーブ」は、手始めに日本を侵略することにした。日本を標的にするのは歴史上、数々の悪の組織が歩んだ道だから...
◆第56回 てきすとぽい杯願いを。(850字)投稿時刻 : 2020.04.18 23:29 歯の裏に書いてある数字を確かめて、ひとつひとつ丁寧に歯茎へ差し込む。カチッとロックした音が前頭板に響いて不意に水琴窟を連想した。閉所の音は反響を拡大す...
◆第55回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動8周年記念〉加速する風景(1117字)投稿時刻 : 2020.02.15 23:45 21年間生きてきて、ドラマティックと呼べる瞬間にはまだ出会ったことがない。学業も仕事も人間関係も、クライマックスどころかクライシスの気配さえ感じられない...
◆第54回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉ジャンクフード(2403字)投稿時刻 : 2019.12.14 23:56 残業を切り上げ急ぎ足で電車へ駆け込んだものの、駅に着いたらスーパーの灯りは消えていた。いつものように15分くらい閉店時間が延びると期待していたのだが、ど...
◆第53回 てきすとぽい杯野球の神様(1793字)投稿時刻 : 2019.10.19 23:44 まだその時ではないって野球の神様が教えてくれたんだと監督は涙ながらに記者へ呟いた。 ...
◆第52回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも(1000字)投稿時刻 : 2019.08.18 18:34 心臓が車のエンジンみたいにボコボコと律動している。送り出された血液は全身を巡り、外部の刺激を受けて変質すると再び体の中心へと戻ってくる。薄汚れた血の色...
◆第51回 てきすとぽい杯あなたとあなた、どっちが大切なの?(1610字)投稿時刻 : 2019.06.15 23:41 電気シェーバーの替え刃を探しながらフロアを歩いていると人集りが目に入り、何の気なしに覗いてみると新型ゲーム機のデモプレイをやっていた。 ...
◆遊び場Waltz "Water Drop"(553字)投稿時刻 : 2019.06.05 01:19Andante
ああ、朝食の匂いがベッドルームまで漂ってくるわ。焼き立ての小麦とコーヒーの...
◆第50回 てきすとぽい杯お疲れ!(1247字)投稿時刻 : 2019.04.13 23:44 ポケットや鞄の中、ひと通り探してはみたものの定期券が見つからない。改札の真ん前で体のあちらこちらを両手で叩いている私は疑いようのない不審者だ。こんなこ...
◆3月うさぎの「スイーツ感想」お茶会ただひとときのノスタルジア(3010字)投稿時刻 : 2019.03.30 21:45 わずかにしなった水色の柄杓がバケツの水を掬い出すと、縁から溢れた水流がカーテンみたいに広がり落ちた。こんもり盛り上がった波のコブがぶつかり合って、水の...
◆第49回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動7周年記念〉おっさん神(862字)投稿時刻 : 2019.02.16 23:44 三沢は神様と呼ばれていた。どんなに忙しくとも人の頼みは断らないし、頼まれてなくとも自発的に町のイベントを手伝う。困った人がいれば問題が解決するまで必ず...
◆第48回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉レッツプレイ(1534字)投稿時刻 : 2018.12.15 23:43 寄り掛かってきた薫は僕の肩口を少し噛むと、艷やかな瞳を真っ直ぐ向けて顎に力を込めた。 ...
◆第47回 てきすとぽい杯新人教師(807字)投稿時刻 : 2018.10.20 23:39 学年主任の教師に勧められ向かいの席へ座る。手元の資料をめくりながらチラチラと視線を送ってくる彼の態度に軽い嫌悪を覚え、俺は背筋を伸ばしたまま小さくうつ...
◆第46回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉真美子(1000字)投稿時刻 : 2018.08.19 15:00 あなたは幸運ではなく呪われているのだと妻は助手席でうわ言のように呟く。繰り返す陣痛でこちらの心配をしている場合ではないだろうと呆れながらも、もうすぐ病...
◆゚+.゚ *+:。.。 。.世 紀 末 ゚.+° ゚+.゚ *+:。.。彦二郎の猿尾(1509字)投稿時刻 : 2018.08.25 23:33 尾張国海西郡笹塚村の彦二郎は、近隣の村までその名が通るほどの変わり者であった。畑仕事の最中でも目の前を蜻蛉が通り過ぎようものなら追いかけていなくなる。...
◆第45回 てきすとぽい杯あんたに会いたい(1255字)投稿時刻 : 2018.06.16 23:39 昨日、爺さんが死んだ。大往生とでも言うのだろうか、大きな病気や怪我をしない人だったのに、逝くときはあっという間だった。畳を掻き毟らん勢いで泣いていた嫁...
◆16小節のラブソング道はずれのブルースカイ(通常歌の例として)(79字)投稿時刻 : 2018.06.01 18:40最終更新 : 2018.06.03 16:45想い出は空のDeep Blue
どこまでも深く彼方で ...
◆16小節のラブソング『お題』(Twitter小説)投稿時刻 : 2018.05.22 12:23『16小節のラブソング』 ...
◆第44回 てきすとぽい杯星が見ている(817字)投稿時刻 : 2018.04.14 23:39 僕らは似た者同士だと、よく言われていた。例えば自分が満足するよりも相手が満足すればそれで充分だったり、なにかに没頭する機会があったとしても相手の顔色ば...
◆第2回200文字小説コンテスト魂のエトランゼ(200字)投稿時刻 : 2018.04.03 22:25 ロードノイズと風切り音が鼓膜を震わせている。照明灯が次々に視界の外へ流れていく。センターラインは真っ直ぐ行き先を示しながら小刻みに揺れる。先行する車も...
◆暁文学frame by frame(5426字)投稿時刻 : 2018.05.19 12:49 かつて妻は私にこう言った。
「先のことばかり考えていて足元を疎かにするタイプだから、あなたは家事に向い...
◆安眠文学埃舞うマラウイ(5147字)投稿時刻 : 2018.04.12 18:26 入社したばかりのころにも眠れないことがあった。ストレスが溜まっているとか脳が興奮しているからとか、疲れすぎると却って寝付けないのには、そんな理由がある...
◆第42回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・紅〉運命を知る男たち(2824字)投稿時刻 : 2017.12.17 00:16 飲み屋街から駅へ向かう途中の高架線の下、そこが俺の職場だ。スーツにネクタイ、七三分けの謎のリーマン占い師として、ホットペッパーの記事に取り上げられるぐ...
◆ファッションの秋!パリコレ小説大賞手袋の行方(5491字)投稿時刻 : 2017.12.31 21:45 懐かしそうに目を細めた北村はなにか言いたげに口許を緩めたまま、しばらくの間、俺をじっと見つめていた。 ...
◆第40回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉レッツゴー仮面ハンター(1000字)投稿時刻 : 2017.08.20 13:04しょうわ47年8月6日
きょうは、おかあさんとデパートでかめんハンターをみました。みどりのわるいや...
◆名作の書き出しは必ず名文この先、偶然会わないだけの話(2663字)投稿時刻 : 2017.08.19 17:33最終更新 : 2017.08.19 17:36(2)こころ/夏目漱石
私はその人を常に先生と呼んでいた。いまとなってはその意味も分かるが、当時...
◆第39回 てきすとぽい杯詩人は北にいる(646字)投稿時刻 : 2017.06.17 16:13 確か5000年くらい前だったと思う。
おれの身体に住み着いている細菌どもが詩と呼ばれる表現を生み出した。 ...
◆「覆面作家」小説バトルロイヤル!澱を掬う(6032字)投稿時刻 : 2017.07.06 13:45(お題:不倫/懊悩)
第一話 ...
◆第38回 てきすとぽい杯(n-2)✕180°(1343字)投稿時刻 : 2017.04.16 00:31 キャッチャーというポジションだからか、Aは物事を俯瞰して見る能力に長けていた。 ...
◆第37回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動5周年記念〉帰還型発振回路を覗く(1400字)投稿時刻 : 2017.02.19 00:30 ヘリコプターからカメラマンが興奮気味に駆け下りてきた。デジカメを掲げ液晶を指差し、集まっていた研究チームに差し出すと、ほどなくしてキャンプ地は歓声に包...
◆第36回 てきすとぽい杯〈紅白小説合戦・白〉おふろのおとうさん(411字)投稿時刻 : 2016.12.10 23:41おとうさんはいつもこわいかおをして、100かぞえるまでおふろからだしてくれない。
あつくてあつくていやなのに、てをつかまれてうごけない。 ...