第40回 てきすとぽい杯〈夏の24時間耐久〉
 1  4  5 «〔 作品6 〕» 7  14 
まだまだまーだー
投稿時刻 : 2017.08.20 01:48 最終更新 : 2017.08.20 02:31
字数 : 1000
5
投票しない
更新履歴
- 2017/08/20 02:31:50
- 2017/08/20 01:51:05
- 2017/08/20 01:48:43
まだまだまーだー
犬子蓮木


2017/08/15
 今日はおやつを買いに行た。明日からみんなで島にキンプにいく。すごいたのしみだ。

2017/08/16
 だれもいない無人島でキンプ。まだいちにちめなのにもうおやつをぜんぶ食べてしまた。明日はどうしよう。日記もお母さんの言う通りちんと書いた。

2017/08/17
 おやつはきんじのお姉ちんにわけてもらた。海で泳いだり、砂のおしろを作た。明日はちとだけ山にのぼてもう夕方にかえらなくちいけない。もといたかたな。

2017/08/18
 ふねがぼくらをおいていてしまた。なんでなの? ずといたいて言たから? これからどうすればいいかわからない。キンプようぐもテントもない。ぼくたちは木のしたで寝ることにした。きと明日にはむかえに来てくれるんだ。

2017/08/19
 いくら海を見てもふねはこない。おなかがすいた。ぼくがわるいことをしたからばつをうけてるのだろうか。それならぼくだけをこらしめてほしい。

2017/08/21
 この日記の持ち主は死んだ。食べ物がドクきのこだたようだ。私が年上として止めなくちいけなかた。代わりに日記を書き続ける。この子の分まで生きてやる。

2017/08/31
 本当だたら夏休み最後の日。でもきう助は来ない。迎えが来るというがんぼうは捨てよう。とにかく生きることを考えなければいけない。誰かがぐうぜんにでも来てくれるまで。

2018/01/01
 新しい年が来たはずだ。日付の数え方をまちがていなければ。寒いけれどたえられなくはない。生きるために秋から準備をしてきた。くまさんのように冬眠するみたいに。

2029/10/29
 二十才になた。もう私は大人だ。誰もいないこの島で、それでも生きていることを祝いたい。

2030/07/26
 助けが来た。久しぶりに会う人が怖い。お父さんとお母さんが泣いて喜んでいた。私も大声で泣いてしまた。それでも、私の夏休みは終わらない。

2030/08/31
 ここまでちんと読んでくれたかな。どれだけ大変だたか、わかてくれたかな。先生、なんであの日、私たちを置いて行たの? いくら考えてもわからなかた。でも、もう理由なんてどうでもいい。ただ、ちんと夏休みの宿題を終わらせようと思いました。あの子の代わりに日記を提出します。だから、ちんと謝りに行てください。あの子のもとに私が連れて行てあげるから。
← 前の作品へ
次の作品へ →
5 投票しない