第44回 てきすとぽい杯
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イデアル
酔歌
投稿時刻 : 2018.04.14 23:28
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イデアル
酔歌


――あの日の事、よく覚えている。
 確かその日は、進路希望用紙の提出日で、信と帰りにアイスクリームを食べに行く約束もしていた。朝起きたときに私はその用紙をまだ書いてないことに気が付いたけど、目覚まし時計はとくに登校時間ぎりぎりだた。自転車をか飛ばしていく間もずとそれの処理方法を考えながら学校に向かたけど、結局書く時間もなく始業の合図が響いていた。
 私も信も、今日が部活動の新入生歓迎会だてことをすかり忘れていて、結局芸術部が盛り上がて6時過ぎに校門を出たのを覚えている。信は怒ていなかた。当然だ。薄黒く染また空気に優しい夏風の香りが漂ていた。こんな時間だからもうアイス屋もやていないだろうと言う話になり、取り急ぎコンビニで買おうと私が急かすと、信は遠慮がちに「別にいいよ」と笑た。しうがないので、いつも通り会話しながら帰ることにした。
 信が何かを見つけた。何か、と言ても彼曰く「人影」らしいが、そこだけ世界から切り取られたように黒くはきりとした、恐ろしく、そして美しい色だたという。そしてしばらく歩いているうちに、Y字路で人影を見た。私もだ。確かにはきりとした人型の暗黒が、ゆらりゆらりと歩いていた。だがそれを、気が遠くなるくらい永遠待つ必要があるカプラーメンを待つように眺めていると、次第に薄く暗闇に溶けだしていき消えた。
私は不意に「こちから行こう」と人影とは反対方向かつ遠回りの道を選び、帰宅することにした。
 今思えばあれは私の影、それかドペルゲンガーたのかもしれない。とは言ても、どことない感覚がそう私に教えただけで、そこに照明によて人影が映るような所はなかた。あの人影は暗闇の中でどうなていたのか、未だも妙に気になてしまて眠れない。
 私のまだ知らない未来で、私はいなくなていたのかもしれない。なんて、ちとした妄想。
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