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序盤の寒さに対する「私」の独白と、終盤の地蔵が弥勒を打倒するという展開とが対応していて、読み返す面白さがありますね。
表現がとても楽しかったです。地蔵が雪道を歩く音を数行にわたって見せたことで、ラストの「ぼっ。」がイメージしやすくなりますし、文章の見た目としてもメリハリがついて良い。「唯物論者」などの執拗な修飾や、突然の抗争(笑いました)、そして顔をのぞかせる終末的な世界観など、話がしっちゃかめっちゃかしているようでいて実際はきちんと手綱を握って進められている、「ひと夏の軌跡」同様中だるみのない楽しさを味わいました。
誤字等報告
「天国まで登って」→昇って
「ご免こうむりたいのやまやまなのだが」→ご免こうむりたいのは
「唯物論じゃではない」→唯物論者ではない
「長くは続く」→長くは続かず?
「色族是空」→色即是空
「降り積もってい浮くことだろう」→降り積もっていくことだろう