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第49回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動7周年記念〉
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判断推理
 投稿時刻 : 2019.02.17 00:29
 字数 : 958
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判断推理
金銅鉄夫


 これは僕が通う学校で起きた事件だ。

 ある日、Aの机だけが忽然と消えた。
 三階の教室の一番窓際がAの席だた。中に入ていた教科書やノートは、イスの上に綺麗に置かれていて、机だけが盗まれたのだ。
 Aのグラフアートは最近人気が出てきていて、作品には驚くような値段が付くらしい。クラスでもちとした有名人だた。それもあて最初はイジメかと思われた。しかし、先月他のクラスで外部の人間が関わるほど大掛かりな事態になたばかりでその可能性はかなり低いだろう。
 さらに、この教室は、夜になると鍵がかけられる。それだけではなく、学校もセキリテは厳重だ。忍び込むことも難しい。

 呆然としているAに、隣のクラスあたりで使ているのではないか、それを返し忘れたのではないか。そんなことを言う人もいた。それに対してAは
「今の僕の机は目立つから、他と紛れる事はないと思うけど……
 そう返事をしていた。


「この中に机泥棒はいないと信じていますが」
 担任が教室に入てきて事情聴取のようなことを始めた。
「先生が最後に教室の入り口から声をかけたときには、Aくんを含め4人が残ていたと思うが?」

 「その4人の中では僕が一番先に帰りました。帰るまでは自分の席にいたので、もちろん、そのときは机がありました」
 「Aくんが先に帰たのは間違いありません。長い間集中して机に向かてペンを動かしていたけど、大きく伸びをしたあと、帰ていく姿を覚えてます。私が帰るときには、CとDがまだ残ていました。そのときはAくんの机はあたと思います。」
 「Bがいつ帰たのかはわかりませんが、私が気付いたときには、私とDだけでした。私たちが帰るまでに教室に入てきた人はいませんでした」
 「私とCが帰たのは、6時半くらいだたはずです。バスの時間に間に合わないかも、と焦ていたので、机までは覚えてません。それで廊下で先生にさよなら言たじないですか」
先生「そうだた。……それにしても、あれだけリアルな猫が書かれているんだから、誰かが見かけたら、すぐにわかりそうなもんだが」
 「昨日の放課後頑張て書きましたからね。今日もう少し修正つもりだたのに……
先生「机に落書きする事は感心しないけどな!」
 みんなが笑た。

 だけど、僕はあの人の証言に引かかていた。
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