第49回 てきすとぽい杯〈てきすとぽい始動7周年記念〉
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モモコ
(こなた)
投稿時刻 : 2019.02.18 00:23
字数 : 546
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モモコ
こなた


「おかしいと思ったの」
少女はたどたどしい喋りで、しかしはっきりとそう言いました。

手入れの行き届いていない長髪、薄汚れたぶかぶかの外套の年端もいかぬ少女に足元に蹲っているのは、細身のスーツに身を包んだ痩身の、酷く顔色の悪い男。
男は一種異様な雰囲気であるにもかかわらず、無個性を擬人化したかのような印象を出会った人に抱かせます。

「ベンゾウじいさんがすこしも休まずにポイントサイトでお金を稼ぐようになったのも、ジロウがtwitterにたくさんのおはなしを投稿して炎上してしまったのもみんなあなたたちの仕業だったのね」

少女は怒りとも悲しみともつかない瞳で男を見つめ、男の懐に手を入れました。男は恐怖のあまりやめてくれ、やめてくれとうわごとのように繰り返しながら、しかし抵抗する力は残っていないようで逃げようとはしません。

「こんな小さなおもちゃひとつでみんなが……」

少女は男の懐から四角い手のひらに収まるくらいの大きさの電子機器を抜き取り、地面に叩きつけて割りました。

ビキッ、と音がし危機の表面が蜘蛛の巣のような模様がつきます。
すると、男がノイズのような音をあげて、消えてなくなってしまいました。

「さぁ、時間泥棒に盗まれた時間をみんなに返さなくっちゃ」

こうして、少女はたったひとりで立ち上がったのです。
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