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謎解きは、改ページのあとで
鍵のかか
った檻の中に閉じ込められている。
意識が戻ってから一時間以上たつだろう。
気がつけば木製の椅子に座らされ、手を背中で組まされ縛り付けられていた。
足も同様に、椅子の脚に固定させられている。
薄暗いが天井近くの小さな窓から光が漏れている。昼間なのだろうか。
外から鳥のさえずりも聞こえる。
どうしてこうなったか思い出せない。自分が何者かも。
が、どう考えても僕は不当に閉じ込められているのだ。
突如気配と鉄の扉をぎぎぎと開く音がして、檻の向こうに女が現れた。
「これからあなたにクイズを出します」
僕は突然の来訪者に感情が昂ぶり、怒りのまま罵倒の言葉を吐き出した。
ここから出せとか、お前は誰だとか、なんのつもりだとか、そんな台詞だ。
急に大声を張り上げ続けたせいか、喉の渇きもあったのか、最後には声がかすれてむせ返ってしまう。
しかし彼女はこういうことには慣れているかのように僕の言葉をスルーした。
「問題に正解すると鍵が開きます。不正解だとこのままです」
「ちょっとまってくれ……」と言ってまたむせ返ったが、彼女は僕の行動には反応しない。まるでロボットのように事務的に話を続ける。
「それでは問題です」
そういうと彼女は唄いだした。
白が7つに黒が5個、きれいに並んで波を打つ
お前の運命切り開け、空の上には何が待つ?
「さあ答えなさい」と彼女。2 / 2
僕は叫ぶ。
最悪の妄想を振り払いながら。
死の気配を実感しながら。
乾いた喉を、あらん限りに震わせて声を上げる。
「そ、それは、鍵盤のドレミファソラシドのソラの上だから、そ、そ、ソ#!」