壊れた結晶
彼女の結晶が壊れたの、彼女が主催している同人誌に樋口幸人なる人物が十一作品も投稿したからだ
った。
彼女は文戯と言う同人誌を主催していた。
彼女にとっては心の結晶だった。
正体は隠していた。
これが結晶がひびが入りはじめた原因でもあった。
そんな人物に節度を持って接するまともな人間はいない。
だから、つけこまれた。
もともと、文戯に事件を持ち込んだ人物とも現実では会ったことがない。
本名、性別すら知らなかった。
結晶が壊れはじめたのは文戯のコンペに匿名掲示板の文芸技巧の争いを持ち込んだことだった。
いや、文芸技巧の争いと言うより男どもの陰部の見せあいだ。
そもそも、彼女は乗り気ではなかった。
ただ、コンペの投稿数も減っており、売れていない同人誌の売上があがる期待もあった。
コンペが盛り上がるだろうと妥協した。
ここが彼女のスケベ心だった。
ラブホテルで男女二人になって、下着姿でベッドで入るけど、この姿だけを見せて、なにもさせないでお小遣いだけもらったので終わりと言うような感覚だった。
当然だが、そんな世の中はあまくはない。
拒めば逆に乱暴されるだけだ。
それをどこかに訴えようにも、既にお小遣いはもらっている。
彼女は未成年ではなかった。
訴えたところで誰も耳を貸さない。
それを理解できなかった彼女がバカだった。
さて、樋口は十一作も投稿してきた。
投稿される度にきびしい感想を書いた。
しかし、もう下着は脱がされていた。
それで抵抗するのは無駄だった。
彼女ができるのは男の陰部を口で噛み切ることしかできなかった。
彼女はそれをしたのだ。
もともと男を並べて、陰部を品定めするようなことをしていた。
そこで自分の好みの陰部だけにしたのだ。
他の男性の陰部ははさみで切り取った。
文戯はたしかに続いた。
ただ、男どもの程度の女かはわかってしまった。
彼女の陰部を開いても、男は相手にしなくなった。
社会の底辺たちの上に乗るようなった。
そして彼女の結晶は砕け散った。