てきすとぽい
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第13回 文藝マガジン文戯杯「結晶」
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私を閉じ込めないで
(
kuroneko2020
)
投稿時刻 : 2020.10.23 12:48
最終更新 : 2020.11.08 04:24
字数 : 1045
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更新履歴
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2020/11/08 04:24:25
-
2020/10/23 12:48:04
私を閉じ込めないで
kuroneko2020
私はある国の姫だ
っ
た。
王国で宗教改革が行われた時、魔術師に結晶の中に閉じ込められた。
宗教改革の象徴として、革命記念館に置かれて、観衆に見られている。
観衆は王政を懐かしむ。
革命政権に不満を持
っ
ている民も多い。
私がここから出られても、王政を復活する気はない。
ただ、民を大事にする国にしたい。
人々は今では革命政権の圧政に苦しんでいる。
最初の頃は宗教指導者の言葉に民は酔
っ
ていた。
しかし、宗教指導者は宗教的な言葉でむち
ゃ
くち
ゃ
なこと言うようにな
っ
ていた。
しまいには神の代弁者だからと言
っ
て、民の生活が苦しくなるほどの税金を徴収し、豪華な生活をしていた。
そんな指導者は既に民には見捨てられていた。
しかし、指導者には武力がある。
民は従うしかなか
っ
た。
そんな国だから、周辺国との紛争も絶えなか
っ
た。
いつも、どこかの国と火花をちらしていた。
そして、その兵士として招集されるのは、民。
特に農民だ
っ
た。
そのため、国に食料は常に不足しており、民はおなかを空かせていた。
逆にそのために反抗する力も出てこなか
っ
た。
そんな国だから侵略してくる国もある。
街にはそんな国のスパイが跋扈していた。
しかし、指導者は反権力組織を徹底的に弾圧する。
民同士も疑心暗鬼にな
っ
ていた。
もう、国はほろびかけていた。
何度かそんな国を救済しようと周辺国が攻め込んできたこともあ
っ
た。
しかし、宗教指導者はだてに宗教指導者ではなく、魔術師でもあ
っ
た。
地域では最強の魔術師だ
っ
た。
どの国もいいところまで攻め込んでも、宗教指導者を倒すことができなか
っ
た。
実は私も魔法使いだ
っ
た。
宗教指導者と魔術戦闘をして敗れて、結晶に閉じ込められた。
私を閉じ込めないで。
ここから出して、彼を倒すのは私。
宗教指導者も百歳を超えるとその魔術力は衰えてきた。
魔法陣などでなんとか防衛していた。
そんな時、あなたは現れた。
どこか違う大陸から流れてきた、あなた。
この国に来たのも、旅路の途中に休みを取るためだ
っ
た。
私に会
っ
たのも、食事に出たついでの腹ごなしに革命記念館に入
っ
た。
ただ、あなたには私の声が届いた。
いままで誰にも届かなか
っ
た声が。
そして、彼は私を閉じ込めていた結晶をいくつか言葉を唱える魔法だけで私を解放してくれた。
彼は、力のある魔術師だ
っ
た。
宗教指導者のか
っ
てよりも魔術力があ
っ
たかもしれない。
私が解放されたことを知
っ
た民は私のもとに集
っ
た。
そして、あなたと私で宗教指導者を倒した。
国に平和が戻
っ
てきた。
しかし、あなたは私と一晩をともにしてから、国を去
っ
てい
っ
た。
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