てきすとぽい
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よくあるお題系創作大会ですよ
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〔 作品3 〕
血刻
(
伝説の企画屋しゃん
)
投稿時刻 : 2013.07.17 23:56
字数 : 803
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血刻
伝説の企画屋しゃん
願い事をかなえるのには、犠牲が必要だ。
明日は大事な試合。
勝てば優勝、負ければ一年の努力が水の泡。
アフリカや南米では、サ
ッ
カー
ボー
ルを媒介にして魔術をかけることがあるそうだ。
いつだ
っ
たか、国際試合で唾をかけてニ
ュ
ー
スにな
っ
たこともあ
っ
たよね。
衆人環視の中で、堂々とネガテ
ィ
ブな願望をさらけ出す心意気や、よし。
古典的なわら人形なんかより、よ
っ
ぽど潔い
っ
てものでし
ょ
う。
でも、気がかりなこともある。
き
っ
と、唾なんて生ぬるいんだ。
俺はJSL時代からの生え抜きサポー
ター
。
意地を見せてやる。
たとえ、この身を犠牲にしようとも。
カ
ッ
ター
を取り出し、俺は左手の指先にあてた。
相手チー
ムは、北海道から飛行機に乗
っ
てや
っ
てくる。
落ちろ、とは言わない。
ただ、天気が荒れて、丸1日遅刻しろ。
胸の中で、「飛ぶな、飛ぶな」と繰り返しながら、ボー
ルに血を刻んだ。
けれども、偶然つけ
っ
ぱなしにしていたテレビを観ていて、はたと気がついた。
画面の中にいるのは、対戦するチー
ム。
選手がインタビ
ュ
ー
を受けているのは、都内の練習場。
おい、こら待て、そこの民放。
あいつら、もうこ
っ
ちへ移動しとるやんけ。
そうつぶやいた途端、めまいに襲われた。
それは血を流したせいか、あるいは映像が衝撃だ
っ
たからなのか。
俺は予定変更を余儀なくされた。
「バス、パンクしろ。バス、パンクしろ」
我ながら、小さい。
言
っ
ていることが、ジ
ャ
ポニカ米よりも小さい。
おまけに、さ
っ
き決ま
っ
た直木賞も芥川賞も、作品として地味ぽい。。。
滴る落ちる血を拭うのも忘れ、俺は自棄にな
っ
てボー
ルを真
っ
赤に染めた。
そして、翌日。
俺は試合開始の時刻にな
っ
ても、駅にいた。
そう、この世には呪詛返しがあ
っ
たのだ。
俺は今、ホー
ムでアナウンスを聞いている。
車両故障のため運転再開の目処がまだ立たない、というアナウンスをね。
回答:サ
ッ
カー
黒魔術式にしたいけど、近くに呪術師がいないので試行錯誤のセルフサー
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