第13回 てきすとぽい杯
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5人いますよ
茶屋
投稿時刻 : 2014.01.18 23:23 最終更新 : 2014.01.18 23:34
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- 2014/01/18 23:34:59
- 2014/01/18 23:23:26
5人いますよ
茶屋


 ブレーカーが落ちた。
 まあ、電気が使えなくなただけのこと。そう騒ぐ必要もない。
 だが、今は夜である。夜であるから明かりがない。騒ぐ必要があるわけである。
「は、まじで?」
「ちとまて携帯携帯」
「おい!今だれかおれの子と踏んだだろ!」
「いてなんかぶつかた」
「ブレーカーどこだよ?」
 部屋の中に集またのは五人。ま、適当に卓飲みでもしようてことで集またわけだ。
 集まる前に3人ぐらいで酒とつまみを買いに行て、残り二人は料理の下ごしらえ。揃たところで晩飯をつくてそのまま飲みに突入。食い終わてぐだとしてたところで突然ブレーカーが落ちた。
「とりあえずライターつけるな」
「携帯マジどこ行たし」
「あ、蝋燭あるよ。臭いでるけど」
「くせ
「くせていうなよ。アロマキンドルてやつだろ?」
 蝋燭の明かりを頼りにブレーカーを探し出す。
「おたあた」
「ん?」
「もしかしてつかない感じ?」
「う!?まじかよ」
「停電かよ」
 どうやら停電の様子だ。復旧する様子はないし、テレビもつかないので状況もわからない。けれども、揺れも感じなかたこともあり、5人は災害などは考えず、危機感もなくろうそくの明かりのもとで酒盛りを再開する。
「タイミングわりな」
「でもまいいんじね?」
「そうそう、こういうハプニングあたほうが面白れん」
「まあな。たまにはいいかもな」
「蝋燭の明かりで酒を飲むのもまた一興てか」
 アロマキンドル一つのともし火の元、酒を飲む。大学のこと、バイトのこと、それぞれ思い思いに語り、応ずる。
 ふとその時、一つの音が鳴た。
「ち
「だれだよ」
「くせ」
「おれじよ」
「おまえだろ」
 談笑の中で放屁の音は、盛り上がた気分を一時的にさらに盛り上げる。笑いが巻き起こり、手を叩く音が聞こえる。
「いやまじねえわ」
「はははは」
「おめ、顔あけーん」
「お前かよ。こちくんな」
「ちとまておれじて」
 からかいあいのあとで少しの沈黙が訪れる。
「あ、いま神様通た」
「神様?」
「神様て何?幽霊じなくて?」
「神様?幽霊?なんだそり
「あ、俺んとこでもいたわ。みんなが黙る瞬間のこと、幽霊通て」
 ふわと蝋燭の炎が揺れる。
「幽霊ていやさ、出るらしいぜ」
「何が」
「幽霊だろ」
「あ、俺も聞いたことある」
「俺も俺も大学の確か……
「無機化学演習室」
 そこで怪談話へと話は流れていく。大学の実験室に出る幽霊の話だ。
 ある学生が遅くまで研究室に残ていた時の話だ。実験も終わりデータもまとめたところで、さ、帰ろうと、研究室の戸締りをした。鍵を閉めて廊下に出る。研究室の隣は、無機化学演習室。普段学生実験などで使う場所だ。
「何故かその時カラスの鳴き声が聞こえたらしい」
「ふーん」
「烏て夜鳴くのか?」
「鳴くんじね?」
「まあ、明かりに反応したかもしんないしな」
「あるいは別の何かに応じたか」
 学生が不思議に思たものの、そんなこともあるか、という程度でささと帰ろうとした。廊下は真暗で、非常灯の明かりしか見えない。普段ならセンサーが反応して廊下の電燈は自動で灯るのだが、故障しているためか真暗なままだ。
「タイミングよすぎだろ」
「いやでも結構ないか。センサーおかしくなてんの」
「ああ、便所で大便してるときに勝手に消えるとか?」
「そり普通だ」
「手を振てもかいつけたりするよな」
「センサーが何故か反応してくれなかたりとかね」
 なんとなく嫌な気がしながらも、学生が廊下を歩いていく。その時自分の足音が嫌に響いていたという。
 コツ
 コツ
 コツ
 コツ
 その時ふと無機化学演習室のほうから水の音が聞こえてきた。蛇口から一滴ずつおちて行くような音。誰か蛇口でも閉め忘れたのだろう。無視して帰ろうとして、ふと何か変な感じを覚えた。普通、流しには水をためておくものを置いたりはしない。しかし、聞こえてくるのは水滴は水面に落ちるような音なのだ。たまたま何かおいているのかもしれない。そう思うようにして無機化学演習室を過ぎ去ていく。その時だた。
 ダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダンダン!!!!
 無機化学演習室の扉が何か叩くような音をたてて揺れた。
 はとして振り返る扉についた窓ガラスに、真白な人の顔のようなものが……
「張り付いていたんだと」
「くだらね
「なんかあんまりひねりがないな
「まシンプルでいいんじね」
「俺正直びびた」
……

「なあ……
「なんだよ」
「ん?」
「今度はびびんねからな」
……
……

「今日集またのて、五人だよな」
「ああ、そうだよ」
「いまさら何言てんだよ」
「田中は来れないて言てたじん」
「そうそう」
……

「影がさ……
「ん?」
「影?」
「いちにいさん」
「しい…………

「ろく」
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