てきすとぽい
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第一回 てきすとぽい杯
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無題
(
なんじや・それ太郎
)
投稿時刻 : 2013.01.19 23:45
字数 : 658
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無題
なんじや・それ太郎
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のシステムエンジニアである僕は、とあるシステム案件の仕事で岡山にいた。出向先のビルの一階にはトマト銀行の支店があり、他の階にもインター
ネ
ッ
ト専用の「ももたろう支店」があ
っ
た。僕の仕事はかなり堅い業種の顧客向けのものであるため、そんな遊び心のある名称を羨ましく思わないでもなか
っ
た。
そのビルには毎朝、雑誌の配達をするおばさんが来ていた。雑誌の定期購読なら出版社と直接契約した方がいいのに、と思わないでもない。だ
っ
て、岡山では雑誌の発売は東京よりも一日遅れなのである。出版社から送
っ
てもらうと、東京での発売日と同じ日に届けられるのに。
今年の仕事初め、出向先の元請の会社の連中から、年賀状の書き直しを命じられて困惑する、というのが初夢だ
っ
ただけに、僕は浮かない気分でそのビルに向か
っ
た。着くと雑誌の配達の人がいたのだが、自転車には見覚えがあ
っ
ても、その日は乗
っ
ている人が違
っ
ていた。若い女性だ。しかも、可愛い。
横目で見ながら通り過ぎようとすると、彼女が「あのう」と声をかけてきた。「ももたろう支店
っ
てここですか?」と不安げに問う。「そうですよ」と僕は応える。「よか
っ
た
……
」と彼女は安堵の溜息。
一緒にエレベー
タに乗る。彼女は「ももたろう支店」のボタンを押したが、僕はつい自分の降りる階を押すのを忘れてしま
っ
ていた。「ももたろう支店」の階に着いた時、ようやくそれに気づいたが、時すでに遅し。彼女と一緒に降りた。
僕は彼女に向か
っ
て、「このビルの向かいのマンシ
ョ
ン工事の振動のこととか、君と一緒に映画に行
っ
て、ポ
ッ
ピコー
ン
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