てきすとぽい
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第一回 てきすとぽい杯
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〔 作品19 〕
Timeout
(
タカダノブユキ
)
投稿時刻 : 2013.01.20 01:34
最終更新 : 2013.01.20 02:44
字数 : 1453
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2013/01/20 02:44:49
-
2013/01/20 01:34:50
Timeout
タカダノブユキ
「じ
ゃ
あもういいです… こちらでなんとかします。」
『はあ、 よろしくおねがいします…』
という俺の返事が聞こえたかわからないうちに通話が切れた。
相手は明らかに怒
っ
ている。
睡眠不足な夢の中で気ぜわしく振動している携帯を取ると、
今日10時に打ち合わせを予定していた相手からだ
っ
た。
切れた携帯の時計は1月2日、10時45分。
「いかなくていいの?」
携帯を持
っ
たまま力なく枕に突
っ
伏した俺に、隣で寝ていた女が言う。
「2日から打ち合わせとか、ないでし
ょ
ふつー
…」と、
同意を求めてみるが返事無し。
「…」
「…や
っ
ぱ行
っ
たほうがいいかな」
「…そうね。。 …行くでし
ょ
、や
っ
ぱ。」
「…よし!行くぜ!」
マンガの主人公みたいに飛び起き、今日の打ち合わせ相手に電話して、
すぐにそちらに向かうのでしばらく待
っ
ていて欲しい旨を告げ、
洗濯したばかりのパンツと黒のTシ
ャ
ツを着て、キレイめのジー
ンズとフー
ドの付いたやや厚手のコー
トを着て、
部屋を出ようとしたら急にハラが減
っ
た気がして、すぐ横の冷蔵庫の上にあ
っ
たポ
ッ
プコー
ンの袋を見つけ
「ごめん、ハサミ取
っ
て?」と俺。
「あー
ち
ょ
っ
とま
っ
て…」と言
っ
たあと、ハサミを持
っ
てきてくれた女は
ポ
ッ
プコー
ンの袋をハサミで丁寧に開封する俺を見て「あ
っ
、私のポ
ッ
プコー
ン!」
「ごめん、食べていい?」
「いいけど新しいの買
っ
てきて」と言
っ
た女は少し呆れた顔をしながら、
「そんなの手で開ければいいじ
ゃ
ん」と付け加えた。
「やなんだよ」
「キレイに開けないと気が済まないの!」
と、女の呆れ顔にたたみかける俺に、
「はやく行けば?」と女。
右手に一掴みしたポ
ッ
プコー
ンを食べながら、早足で商店街を渡り、
駅の階段を一気に駆け上が
っ
てSuicaで改札を通りながら、電車の時刻を確認する。
次の電車まであと7分。
各停だと5分待ちだが、途中で急行に追い抜かれる。
(こんな時こそ「急がばまわれ」…)などと適用にやや違和感を感じることわざを思い浮かべつつ、
改札内のコンビニに入ると、買
っ
てきて、と言われたポ
ッ
プコー
ンがあ
っ
た。
10袋くらい買
っ
てい
っ
たら文句ないだろw と思い
Suicaで支払を済ませると残り16円にな
っ
た。
打ち合わせは新宿。
出るときに残高不足になるから、面倒だけど精算機を通らなければ、、
カバンの財布には5千円以上残
っ
ているはずだが、大遅刻の中の精算機ハンデは気持ちに重い。。
ポ
ッ
プコー
ン買わなければよか
っ
たかなー
と思
っ
た瞬間に、
スナ
ッ
ク菓子を大量に持
っ
て、どう打ち合わせの席に行くよ?(しかも大幅遅刻のうえに)と呆然とする。
どうやらまだ寝ぼけていたみたいだ。。
でも、すぐ目の前にコインロ
ッ
カー
を見つけ、でかいほうのロ
ッ
カー
にポ
ッ
プコー
ン10個を押し込み
ポケ
ッ
トから300円出して鍵を閉め、駆け足で階段を降りて急行に乗
っ
た。
今日の打ち合わせは初めて顔を合わせる相手ではない。
が、それだけに油断していた。
面倒でもパソコンや携帯にスケジ
ュ
ー
ルを入力しておくべきだ
っ
た。
かなりへこみつつも、新宿の階段位置を考慮した車両まで移動する。
電車の中で受けたメー
ルでは、駅を出て5分ち
ょ
っ
とのドトー
ルで待
っ
ているそうだ。
はじめて顔を合わせるライター
さんも一緒という情報も付け加えられいて、かなり焦る。
いろんな言い訳のバリエー
シ
ョ
ンと、
言い訳を許して貰えそうな空気の作り方を十分に検討するまもなく、新宿。
脳内シ
ュ
ミレー
シ
ョ
ンした最短ルー
トを全力に近いスピー
ドで駆け上り、
改札横の精算機にSuicaを突
っ
込んだ後すぐに、カバンを忘れたことに気が付いた。
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