「…僕は貰った言葉を大切にしまい込んで、心の中で繰り返して、そうして、…」 …この言葉に引きずられるように読みました。 何も起こらない。…息苦しく砂に埋められて行くようなバッドエンド。

武士っぽい主人公だと思いました。

でもなんだかんだ言っといて、やることやってたら武士じゃないな、って思いました。

主人公は少し自己中心的な人物なのかなと思いました。
そういうナイーブさが二人の将来に暗い影を落としそうで恐ろしいです。

・雑感
主人公くんの言動がなにかと鼻につくｗ

・主人公が腹立たしいとは
なぜ彼に腹が立つのか考えてみました。（考えなくてよろしい）

主人公くんは、義理がたいような誠意があるようなでも実は人に責任/判断を全て押し付けているだけのような気がする。ある意味現代っぽいというか……常に自分を被害者側、受け身の側に置いておきたいのかな。そういうところが、読んでいるこちらからすると、気にくわないｗ

不満があるならいつか牙をむけばいいのにーなんて思ってしまうけど、でも彼にとってこれは余生なんだっけか。本来死んでいるべきだった運命をうっかりロスタイムで拾ってしまった、みたいな気持ちで生きているのかもしれない。生きてる死体みたいな薄暗い気分で。

そうだとすると、彼女に思うところがあっても行動に出られない心理は分からなくもない……かな。
自分はほんとうは死者なんだから生きてる人に影響を与えるわけにはいかない、みたいな？
（ムカついていたはずなのにいつの間にか納得してしまっていたｗ）
（この作品、読み返すと納得感が増してきて良い感じですよ！）（誤読？）

読み進めながら、「彼女は危ない人なのかな」「海で何かあるのかな」と思ったんですが、そうなりましたか。こういう静かなバッドエンドも良いものですね。

結婚じゃないけれど、自分にも少し似た経験があったので興味深かった。
誠実さってなんだろう。