200文字小説コンテスト
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投稿時刻 : 2014.03.16 22:57
字数 : 200
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バカ
ra-san(ラーさん)


「バカ」

 この台詞を夏希に言われたのは何年前の事だろう。

「夏希、結婚したてよ」

 友人との飲みの席だた。昔馴染みの友人は風の噂にその話を聞いたらしい。

「へ

「なんだその反応。かなり良い仲だたから、もと動揺すると思たぞ」

 沈黙を酒で濁す。

「子供ができなくたて、あたしは気にしないよ」

 夏希の目に決意の色。しかしその色は、私の返事にたちまちに滲んでいた。

「バカ」

 そうなのだろう。
 酒が苦く喉へ落ちた。
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