200文字小説コンテスト
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異国死
悠希
投稿時刻 : 2014.03.30 10:34 最終更新 : 2014.03.30 12:41
字数 : 200
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更新履歴
- 2014/03/30 12:41:23
- 2014/03/30 10:34:36
異国死
悠希


その老女が病院からレストホームに戻た時には、英語が全く通じなくなていた。
先週、カタコトの英語で互いの故国や家族の話をしたことも忘れていた。
広東語で「食べ物をくれ」と指二本を伸ばし、飯をかきこむ仕草をする彼女の横には、冷え切た手つかずのラザニア。
私が弁当の炒飯を渡すと、餓えた老女は器を抱え込むようにガツガツと食べつくした。
翌週、彼女の部屋は無人になていた。

彼女がお米の天国に召されますように。
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